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東北新幹線の運転士が自宅に財布を取りに帰り列車が遅延

 東北新幹線の50代の男性運転士が勤務中に自宅に財布を取りに帰ったため、乗務予定の列車が8分遅れるアクシデントが起きていたことが分かった。

 JR東日本によると、トラブルが発生したのは2月14日のことで、運転士は同日午前10時頃に仙台駅に出社。その日の最初の乗務は同10時13分発の「はやて116号」で、東京駅に同11時56分に到着。そして、東京駅午後5時56分発の「はやて115号」に乗務し、仙台駅に同7時37分に到着した。

 その時点で、財布を忘れたことに気付いていたため、運転士は仙台駅から片道徒歩15分ほどの自宅に取りに帰った。所属する仙台新幹線運輸区の職場に戻ったのは、乗務予定の「はやぶさ・こまち36号」出発時刻ギリギリの午後8時半頃だった。

 「36号」は新青森駅始発で、仙台駅まで別の運転士が乗務。ところが、同駅で交代するはずの運転士が現れなかったため、新幹線運行本部に「乗り継ぎの運転士がいない」と連絡。運行本部は運輸区に伝え、当該運転士は慌ててホームに向かったが、間に合うはずもなく、列車が出発したのは定刻から8分遅れの午後8時38分だった。同列車には、約400人の乗客がいたが、「発車の準備をしている」とアナウンスし、ごまかしていた。

 自宅に戻った理由について、運転士は「次の乗務まで時間があると勘違いしていた」と話しているという。

 当初、同社では遅延を公表していなかったが、「最終的に東京駅に着いたのが定刻の3分遅れで、大きな遅れではなかった。ほかの新幹線にも影響はなかったから」と説明している。

 仙台支社広報室は「私的な理由で列車の運行を遅らせ、お客さまに大変申し訳ない。すべての運転士に、改めて乗務時間の確認などの自覚を促すよう指導を強化し、部署内での声掛けを徹底し、再発防止に努める」とコメント。

 公表するかしないかはともかく、運転士の私的な事情で列車を遅らせたのは事実。職場を離れる際に、管理者に報告していれば、会社で金を貸すなどの措置を講じることもできたはずだ。「大した遅れではなかった」と言うが、先を急いでいた乗客もいるのである。

(蔵元英二)

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