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精子を欲しがる女たち 弱みにつけ込む「種付け屋」の実態①

 日本男児の精子が弱っている。

「妊娠を成功させる能力が低い男性の精子は“数が少ない”“運動能力が弱い”“奇形でDNAが傷ついている”などの特徴があります。かつては『不妊の原因は女性にある』という俗説を信じる人が大半でしたが、現在は男性の“精子力の低下”も、不妊の大きな要因であることが周知されるようになってきました」(都内の不妊治療専門クリニックに勤務する看護師)

 精子の検査は、「精子量」「精液のPH値」「精子濃度」「総精子数」「運動性」「形態」「生存性」といった項目でチェックされる。この全項目でWHOの基準値を満たせば「正常精液」と認定されるが、いずれかの項目が基準値を満たさなければ“精子力が低い”と判定される。

 不妊治療のために検査を受けて基準値を満たしていないことが分かり、ショックに打ちひしがれる男性も少なくないという。

 こうした夫婦は「体外受精」などの不妊治療に挑むことになるが、肉体的にも経済的にもかなりの痛手となる。

「体外受精には1回数十万円かかります。何年も続けると数百万円単位でお金が飛んでいくんです。諦めきれない夫婦の中には1000万円以上費やしたケースもありました」(同)

 日本の体外受精は、実施件数は世界最多だが、成功率は最低レベル。定期預金や保険を解約し、生活を切り詰めた結果、夫婦仲が悪くなり、離婚に至るケースまであるというのだ。

「ストレスこそ妊娠の大敵。金銭面で将来への不安を抱え、体力的に疲労が重なると、精子の力も弱くなります。この悪循環に陥って、ボロボロになる夫婦を何組も見てきましたよ」(同)

 最悪の場合、「他人の精子」に頼ることも選択肢の一つになってくる。

「他人の精子でもいいから子どもが欲しいという女性は増えています。夫の精子が弱くて妊娠できない妻だけでなく、レズビアンのカップルや、結婚には興味がないけど子供が欲しいというキャリアウーマンなどですね」(大学病院関係者)

 しかし、国内の「精子バンク」はドナー(提供者)の減少で破綻寸前。

「法整備が追いついておらず、これまでは秘匿されてきたドナーの個人情報より、『子が親を知る権利』が優先されているのです。つまり、将来的に自分の提供した精子で産まれた子どもから“遺伝学上の父親”の情報開示を求められるリスクなどが発生し、ドナーが二の足を踏むようになっているんです」(同)

 無精子症の夫婦に限って、「医療行為」として精子提供を行ってきた慶應義塾大学病院でも、ドナー不足から新規受付を停止している。それならばと、精子バンクがビジネスとして成立している海外で人工授精に挑もうとすると、最低でも500万円程度かかるという。
(明日に続く)

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