search
とじる
トップ > 社会 > 目の前で母親を殺された2歳の息子が犯人を証言? それでも捕まらない理由は【未解決事件ファイル】

目の前で母親を殺された2歳の息子が犯人を証言? それでも捕まらない理由は【未解決事件ファイル】

pic pic

画像はイメージです

 1999年11月13日、愛知県にあるアパートの一室で女性が惨殺死体となって発見される事件が起きた。遺体で見つかったのは当時32歳の女性Aさん(仮名)。Aさんは当時43歳だった夫のBさん、当時2歳の息子Cくんの3人で、愛知県名古屋市にあるアパートで暮らしていた。Aさんは鋭利な刃物で首などを数か所刺され、廊下から居間に体を投げ出すような形で倒れていた。惨殺されたAさんの横には、Cくんが泣きもせず怪我もない状態でぽつんと座っていたという。一体、何が起きたのだろうか。2019年現在も犯人は捕まっていない。

 事件当日、Bさんは午前9時に出勤し、アパートにはAさんとCくんの二人きりだった。午前11時10分頃には、AさんがCくんを連れて病院に現れたところを病院スタッフが確認。生前Aさんの姿が第三者に確認されたのは、これが最後だ。

 午後2時過ぎ、アパートの大家の女性が柿を届けようとAさんの部屋を訪れたが、応答はなかった。鍵が開いていたため、不審に思った大家が室内に入り、首から血を流して倒れているAさんと、泣きもせずに座っているCくんを発見した。すぐに、大家は119番通報をしたものの、警察が到着した時には、既にAさんは亡くなっていた。死因は首を刺されたことによる右頸動脈切断による失血死だった。凶器は見つかっていない。

 閑静な住宅街の中にあるアパートの一室で、一体何が起こったのか。

 警察が捜査を始めると、現場からいくつかの証拠が見つかった。一つ目は、Aさん宅では購入していない、訪問販売でしか手に入らない乳酸飲料。警察が乳酸飲料の製造番号を調べたところ、現場から20キロ離れた西三河地区で販売されているものと判明した。

 二つ目は犯人の血液型。Aさんと争った時に傷を負ったとみられ、洗面所で止血しようした跡や玄関に血痕が残されていた。警察がDNA鑑定をした結果、犯人はB型の女であることが判明。更に24センチの韓国製ウォーキングシューズの足跡が玄関で発見された。

 さらに、警察による周辺への聞き込み捜査で、アパート付近で手を怪我した40代から50代の女性を目撃した男女2人を発見。目撃者の話から犯人の顔が、一重の釣り目で、軽くパーマがかかっていたことが分かった。目撃者の情報を元に似顔絵が作成された。

 犯人に繋がる重大な手掛かりの数々だが、警察は情報の公開に消極的だった。似顔絵と靴跡に関しては、一般公開しなかったのだ。約16年経った2015年4月13日になって、ようやく二つの情報を公開した。靴は女物でサイズは24センチ、1999年までに北関東から九州のスーパーで約7000足が出荷されたという。似顔絵は、肩までかかる髪をした中年女性の絵だが、モザイクがかかった状態だった。なお、情報公開が少ない、遅れた理由については「犯人のイメージを特定しすぎる恐れがある」と説明している。情報公開の効果は現れず、新たに犯人への手掛かりが見つかる事はなかった。

 当時、Cくんは警察に「コンビニのおばあちゃんが犯人」と話したという。警察はカウンセラーを動員し、彼の発言を探ろうと試みたが、確かな記憶なのかは分からなかった。犯行現場近くにはいくつかコンビニは存在していたが、Cくんの話との関係性は分かっていない。大家が発見した際、Cくんが落ち着いていた様子だった事から、「顔見知りの犯行」ではないかと一部ネット上で噂されるが、真相は不明だ。2019年現在、Bさんは名古屋市内にある別の住居で生活をしているそうだ。当時2歳だったC君は現在21歳。2019年7月20日放映の東海テレビの番組では、ほとんど母親の事を覚えていないと答えていたそうだ。

 Cくんが語った「コンビニのおばあちゃん」と、当時の目撃者が見た女性は関係があるのだろうか。性別、血液型、人相と有力な手掛かりを掴みながら、一向に犯人の行方はいまだ掴めていない。

関連記事


社会→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

社会→

もっと見る→

注目タグ