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タイトルなんてどうでもいい? 中日・ルナが首位打者放棄

 中日は右膝関節膝蓋靱帯(しつがいじんたい)炎のため、戦線離脱しているエクトル・ルナ内野手(33)が今季中の復帰を断念し、8月29日に治療のため、本国・ドミニカに帰国することを発表した。

 ルナは開幕当初から5月まで4割を超える高打率をマークし、首位打者をキープし続けた。現在も.350で、セ・リーグの打率トップだが、間もなく規定打席を割るため、タイトル獲得を放棄することになる。

 球団トレーナーによると、ルナのケガは一般的には痛み止めの注射を打って、プレーする程度の軽傷だが、本人が嫌がっているという。根本的な治療となると、手術も選択肢の一つ。ルナは帰国して、旧所属チーム・アギラスのトレーナーや現地の医師と相談しながら、手術も視野に入れて治療する方向。

 球団広報を通じ、ルナは「ドミニカ共和国に戻って検査、治療することになりました。シーズン途中でチームから離れることは、チームメートにも迷惑をかけてしまい、自分自身も残念です。しっかり治し来シーズン戻ってきます」とコメントしている。

 ルナは7月6日に左膝を痛め、同16日に出場選手登録を抹消。これも軽傷だったが、オールスター戦も辞退。8月4日に復帰したものの、前半戦とは別人とも思える緩慢なプレーが目立ち、わがままも連発していたが、今度は右膝の痛みを訴えて、8月16日に出場選手登録を抹消されていた。

 今季、1年35万ドル(当時約2870万円)の格安年俸で入団したルナは、“ジャパニーズドリーム”を成し遂げるべく、全力プレーに徹した。球団の評価は高く、他球団への流出を防ぐため、6月5日、来季から、年俸200万ドル(約2億円)プラス出来高の2年契約(3年目は球団に選択権)を結んだ。

 チームは現在、広島と激しいCS(クライマックス・シリーズ)進出争いをしている真っ最中で、ルナ自身も首位打者のタイトルが懸かっている。本来なら、痛み止めを打ってでも、プレーしてほしいところだが、本人が「痛い痛い」と言う以上、どうにもならない。

 すでに、来季からの大型契約を交わし、“ジャパニーズドリーム”を成し遂げたルナにとっては、チームのCS進出も、タイトルもどうでもいいことなのだろう。

 はからずも、高木守道監督は「あんだけ痛くなるんやからもうダメなんやないの、今年は。気持ちがのってないもん。契約(延長)するのが早すぎた」とぼやいたが、早期の契約延長がアダとなってしまったのは明白。契約上、来季も中日でプレーすることになるルナだが、今回の騒動で評価が暴落したのは確かだ。
(落合一郎)

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