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小沢「マスコミ批判」腰砕けの裏に総理の野望

 民主党の小沢一郎代表(65)は7日夕、東京・永田町の同党本部で開いた両院議員懇談会で正式に辞意を撤回した。ところが続く記者会見では報道陣の詰問にどこか腰砕け。4日の辞意表明会見ではほとんどの報道機関に対して「誹謗中傷報道」などとボロクソに抗議したくせに、いったい何の心変わりか?
 小沢氏は両院議員懇談会で福田康夫首相との党首会談をめぐる混乱について「不器用だった」と陳謝した。「この体にもう一度ムチを入れ、来るべき衆院選で必ず勝利する」と宣言すると、立ち見を含む“満員御礼”の議員席から歓声と拍手が沸き起こった。
 すっかり気分をよくした小沢氏は「ガンバロー」三唱で大盛り上がり。厳しい質問を浴びせられた記者会見でもソフトな対応に終始した。
 記者団から「誹謗中傷報道」発言の撤回を求められた小沢氏は、「(党首会談の)当事者の一方である私には取材の申し込みすらなかった。(複数の情報源に基づく記事とする中に)私や民主党は含んでいないでしょ?それは公平ではないのではないか、という意味で申し上げました」と淡々と述べた。発言撤回こそしなかったが明らかなトーンダウンだ。
 さらに「けじめをつけると言った前回会見を軽率だったと思うか」と突っ込まれると、「参院選は自分の限界まで頑張ったつもり。衆院選に向けてもうひと踏ん張りと体にムチ打ってきましたが、(党首会談で)私の不徳の致すところからみんなに迷惑をかけたとの思いが強く、張り詰めた気持ちがプッツンした精神状態になった」と弱みをさらけ出した。
 会見を途中で打ち切られそうになり、記者団が語気鋭く「まだ質問があります!」と噛みつくシーンがあった。小沢氏は司会役をさえぎって「じゃあ、どうぞどうぞ」とにこやかに続行をOK。数日前の対決姿勢がウソのような変ぼうぶりだ。

 公の場では悪口を言わないのが小沢氏の美学といわれている。ところが4日の会見では「ほとんどの報道機関が政府自民党の情報を垂れ流し、自ら世論操作の一翼を担っている」などと正面切ってやったものだから衝撃が大きかった。
 路線シフトの背景について永田町関係者は次のように指摘する。
 「辞任騒動で逆に党内の求心力と存在感が高まり、笑いが止まらないはず。冷静さを取り戻したのだろう。状況は変わったのだから、マスコミを敵に回すのは得策ではない。“小沢総理”が見えているんじゃないか」
 両院議員懇談会では、仙谷由人元政調会長があえて発言を求め、「この会場の熱気と民主党を取り巻く国民の感性には、現時点で相当ギャップがある」と苦言を呈した。
 大連立も今後の党首会談も「ない」とし、騒動の幕引きを図った小沢氏にはどう聞こえたか?


大連立をぶち上げたいきさつ
 小沢氏は辞任騒動の発端となった党首会談のいきさつについて、個人名を伏せて暴露した。
 「約2カ月ほど前、さる人からお呼び出しをいただき、食事をしながらお話をうかがいました。国民のため大連立を、という類の話でした」
 小沢氏は、(1)民主党は参院選に続き衆院選も頑張ろうという雰囲気にある(2)そういう話は政権を担っている人が判断する話、と返答。先月半ば以降に再び「さる人」から連絡があり、「福田総理も連立したいとの考えだ」として首相代理人に会ってくれるよう頼まれたという。
 「さる人」は小沢氏にとって、「むげにお断りできるような相手ではありませんでした」。代理人に会うと「首相も私も本気」と言われたため、「それなら首相から直接聞くのが筋じゃないか」と答え党首会談になったという。
 一部報道では、読売新聞の渡辺恒雄主筆が党首会談をセッティングし、森喜朗元首相が首相代理人を務めたと報じられている。

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