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大学職員が提訴へ(1)日大・田中理事長「潔しとしない」居座り処世術

 物事にはケジメをつけることが肝要である。しかし、時代が平成から令和に代わり、これだけ事態を悪化させたのに一向にケジメをつけない御仁がいる。その代表格は大学のブランドを失墜させておきながら、公の前で説明責任を果たすことさえ一度もないうえ、地位にしがみついたままでいる日本大学・田中英壽理事長(72)といえるだろう。

 先頃、現役の日大教職員らで構成される『新しい日本大学をつくる会』(会長・牧野富夫元日大副総長)が、田中理事長ら大学執行部に損害賠償を求める訴訟を起こすことを発表。併せて田中理事長ら現執行部の総退陣を求めた。

 昨年7月30日、アメフト部員による一連の悪質タックル問題で第三者委員会の最終報告書が日大側に提出された。田中理事長は「学生ファーストの精神が見失われていた」と第三者委員会から指摘された部分について「心に突き刺さった」と同大のホームページで謝罪した。しかし、その言葉とは裏腹に今もトップの理事長職にとどまっている。

 牧野元副総長は5月7日に開かれた会見で「悪質タックルから6日で1年が経った。これを機に、新たなステップに入る必要があると考えた」と述べている。

 ノンフィクションライターの窪田順生氏が言う。
「東京医科大が女子受験者の得点を一律に減点し、女子の合格者数を抑えていた不正入試では、文科省が補助金の打ち切りをチラつかせたため、理事長らが辞めた。あれは文科省向けの責任の取り方で世間に対してやったわけではありません。実は、私大のマンモス校ともなると、表には出ないが、学生が逮捕されたとか、オレオレ詐欺に関わっていたなどの不祥事がゴマンとあるんです。事件が発覚して、その時騒がれても、すぐに経営が傾くわけではありません。そのためトップはタカを括っているんです。田中理事長はまさしくその典型だと思いますね」

 これが民間企業だと売り上げが落ちるなどのダメージを被るが、私立大学の場合、ダメージがすぐに出てくることはないというのだ。「そのため、改革に取り組む真剣味が足りないのでは」と窪田氏は指摘する。
(明日に続く)

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