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自由朝鮮が実行に移す「打倒金正恩」3つの工作

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提供:週刊実話

 二度目の米朝会談決裂後、再び態度を硬化させている北朝鮮に対し、“宣戦布告”した団体がある。

 北朝鮮の独裁体制打倒を掲げる謎の組織『自由朝鮮』だ。同団体は、2月末に在スペイン北朝鮮大使館を襲撃し、館内のコンピューターやハードディスク、携帯電話などを強奪。3月1日には“北朝鮮臨時政府”の樹立を宣言するなど、活動を活発化させている。

 「自由朝鮮の前身『千里馬民防衛』が、’17年2月にマレーシアで殺害された金正男氏の息子・漢率氏を保護してから過激化しています。昨年11月に起きた北朝鮮のチョ・ソンギル駐イタリア大使代理(44)の失踪・亡命事件、マレーシアの北朝鮮大使館外壁への『金正恩打倒』の落書き、金日成主席と金正日総書記の肖像画を床に投げ付ける動画を公開した事件など、世界的な反体制行動への関与も指摘されています」(北朝鮮ウオッチャー)

 自由朝鮮の活動拠点や構成員数、資金源などは謎のベールに包まれているが、リーダーであるエイドリアン・ホン・チャン氏(以下、ホン氏)の経歴は明らかになっている。

 米カリフォルニア州サンディエゴ生まれの在米韓国人2世で、現在35歳。’05年に米国の名門エール大学を卒業したエリートだ。

 「ホン氏は、同大で教鞭をとっていた脱北者の金賢植氏に感化され、’04年3月、脱北者支援と北朝鮮人権運動を行うためのNGO(非政府組織)を仲間とともに設立。これまでに高官を含む1000人以上の脱北を成功させてきた人権活動家で、テロリストではありません」(国際ジャーナリスト)

 その自由朝鮮が3月末、ウェブサイトに不気味な予告を掲載した。
〈我々は今、大きなことを準備している。その時まで暴風前夜の沈黙を守る〉
 これは一体、どういう意味なのか。

 「『暴風』とは、北朝鮮軍が38度線を越え、韓国へなだれ込んだ朝鮮戦争開始時の暗号です。つまり、自由朝鮮は“打倒金正恩”を成し遂げるための工作をしているということです」(同)

 具体的には「金正恩暗殺計画」まで噂されている。
「正恩氏は近く、ロシアのウラジオストクでプーチン大統領と初の首脳会談に臨みます。ロシアまで専用列車で移動した場合、自由朝鮮の工作員が途中で待ち伏せしてテロを企てる可能性があります。ただ、ホン氏はCIA(米中央情報部)と協力関係にありますから、さすがにこれは米国が止めるでしょう」(同)

 一方、保護している金漢率氏を利用するプランもあるという。
「臨時政府であれ、亡命政府であれ、その正当性をアピールするには金一族のDNAを継承している人物をトップにするのがふさわしい。そこで漢率氏を指導者にする計画も進行中です」(同)

 正男氏の息子である漢率氏であれば血統は申し分ないが、彼はまだ23歳で「若すぎる」という意見もある。そのため、指導者候補として、自由朝鮮がもう一人、目をつけている人物がいる。「金平日氏(64)です。同氏は、北朝鮮建国の父・金日成氏と、後妻の金聖愛との間に、朝鮮戦争休戦直後の1954年に生まれた。金日成総合大学を優秀な成績で卒業し、朝鮮人民軍の護衛司令部や総参謀部の要職を歴任。金正日氏と、日成氏の後継者争いをした人物です」(同)

 平日氏は、正日氏との権力闘争に敗れて以降、ハンガリー、ブルガリア、フィンランド、ポーランド大使を歴任し、’15年からはチェコの大使に就任。この間、本国に戻り、重要なポストに就いたことは一度もない。

 北朝鮮の事情に詳しい大学教授が言う。
「正日氏に疎まれた平日氏は、現在に至るまで30年以上にわたって海外生活を強いられています。正恩氏にとっても気に入らない存在のようで、’15年7月に平壌で開かれた大使会議で撮った記念写真には、それがはっきり現れています。平日氏は、姉の駐ハンガリー大使夫妻とともに2列目の左隅に追いやられているのです。“正日氏に去勢された”との噂もあり、子どももいませんし、金正男氏の暗殺時には『次は金平日だ』と言われたほどです」

 4月11日に開催された朝鮮労働党中央委総会では、北の最高首脳が大幅に入れ替わり、若返りが図られた。この際、平日氏を担ごうなどと考える世代は確実に一掃されたものとみられる。

 「ホン氏が平日氏を自由朝鮮の指導者に担ごうとしているという説は信憑性が高い。現状の北朝鮮に居場所のない平日氏にとっても、自由朝鮮の指導者になるのは悪くない話ですから。ただ、かつてホン氏が、正男氏に『亡命政府の指導者になってほしい』と要請したが拒否され、その後、正男氏は暗殺されてしまいました。その代わりを平日氏が受けるかどうか…」(同)

 一方、米国のトランプ大統領も自由朝鮮を支持する気配を見せている。
「トランプ大統領は、北朝鮮が本気で非核化をする気がないのであれば、正恩政権打倒を目指す自由朝鮮の後押しをするなど、金体制崩壊に舵を切るでしょう。『正恩はいいやつだ』と笑いながら“斬首”する可能性もありますよ」(在米の韓国人記者)

 この説を裏付けるかのような動きもある。3月30日の夜、沖縄の嘉手納米空軍基地に“コブラボール”と呼ばれる米空軍偵察機「RC―135S」が、インド洋のディエゴガルシア基地から飛来した。同機は高性能電子・光学機器を搭載しており、発射された弾道ミサイルの各種データをリアルタイムで収集する偵察機。北朝鮮の核・ミサイル実験、発射を監視する眼である。

 このコブラボールと、「金正恩暗殺」「金漢率氏の政治利用」「金平日氏の指導者擁立」という3つの作戦を進める自由朝鮮に凝視される北朝鮮は、「蛇ににらまれた蛙」といったところか。

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