【不朽の名作】80年代のヤンキー映画ブーム作った作品「ビー・バップ・ハイスクール」

まにあっく 2016年12月10日 17時59分

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 今回紹介するのは1985年公開のヤンキー映画の金字塔といえばこの作品『ビー・バップ・ハイスクール』だ。

 同作は監督・那須博之、脚本・那須真知子という夫婦が監督・脚本を担当した作品となっている。この名前でピンとくる人はいるかもしれないが、2004年に伝説のクソ映画『デビルマン』を生み出したコンビだ。同じ漫画原作の実写化ということで、さぞ強烈なダメ作品に仕上がっていると思いきや、意外と無難にまとまっているのが本作だ。ちなみに、当時はヤンキーブームを巻き起こし、ヤンキー映画量産のきっかけを作った作品だ。同作もその後シリーズ化され、1988年まで全6作品を制作。後にテレビドラマやVシネマなどでも配役を変えて作品が作られている。

 映画公開当時、原作はギャグがありつつも、シリアスで、バイオレンス描写もかなり痛そうなヤンキー漫画だった。それと比べると、本作はマイルド目だ。いや、やっていることはかなり過激は過激なんだが、破天荒アクションになっており、笑い所も多くネタ要素が高い。同作よりあとに実写映画化された、もうひとつの有名ヤンキー漫画『湘南爆走族』の原作がギャグ寄りなのに、リアル目なヤンキーアクションに寄せているのとは対照的だ。両方の原作を読んでいる人だと、どこかで企画書が入れ替わったのではと疑うレベルになっている。

 主役の加藤浩志(清水宏次朗)、中間徹(仲村トオル)のふたりは、仲村がデビュー作、清水も役者としてはまだ駆け出しの頃ということで、ヤンキーとしての凄味に欠ける部分はあるものの、ボンタンとリーゼントはなかなか似合っている。他の役者も過度の強調されたヤンキー感が出ており、心地よい違和感がたまらない。菊永淳一役の石井博泰などはかなり原作の風貌に寄せている。同作では、最初からギャグ寄りのキャラ扱いだったのが悔やまれるレベルかも。他の脇役のヤンキーたちもかなり濃い連中ばかりで、ヒロインの泉今日子を演じる、中山美穂の印象があまり残らないほどだ。作中での出番は少ない訳ではないのだけれど。まあ、作品の狙いが喧嘩アクションに重点を置いているので仕方がないといえばそうなる。無駄に恋愛描写が入りすぎても冷めるだけだし。

 同作は今観ると、よくこれ公開出来たなレベルで登場人物がやりたい放題やっている。凶器の使用、飲酒、喫煙なんぞもう当たり前レベルで、喫茶店や電車の破壊、交通事故の誘発、工事現場の資材置き場の全壊などもやらかす。普通ならどっかで警察のお世話になって退学するだろさすがに、ツッコミどころ満載だ。という訳で、同作はファンタジーヤンキーアクション作品として観賞することをオススメする。

 コメディーありのアクション作品として同作は純度が高い。かなり楽しめる。後半の電車での大立ち回り、クライマックスの工事現場での乱闘シーンあたりは特にやりたい放題なので注目だ。おそらく作っている側も笑わせようとして作っている。電車での乱闘シーンなど、不良どもが窓や扉から投げ飛ばされ、川に落ちているのに電車は止まらないという非常識さだ。落ち方が完璧にコメディーノリでかなり笑える。クライマックスの乱闘シーンに至っては、はなっから誰もステゴロでやろうとはしない。鉄パイプやらバットを持ち出して、合戦かチャンバラアクションのノリだ。あげくの果てには重機まで持ち出して大騒ぎ。絵図的にけっこう派手なので、なんで警察は来ないんだとかいう疑問も、どうでもよくなってくる。喧嘩とギャグのバランスが絶妙だ。

 序盤の喧嘩サッカーや中盤の喫茶店破壊も似たようなノリで、とくに警察のご厄介になることもない。おそらくこの世界では、一般の人々はヤンキーを嵐かなんかの自然災害と同じレベルで見ているのだろう。途中で『仁義なき戦い』オマージュのようなシーンも挿入され、そのあたりのやりたい放題も面白い。また、純粋なギャグ描写としては、序盤のクソ長いボンタン用の生地をせっせと輸送しているシーンや、菊永との抗争で人質となっていたはずの舎弟・兼子信雄(古川勉)を浩志、徹がすっかり忘れ、菊永の部下たちに信雄が「お前もう帰っていいよ」と哀れみの目を向けられるシーンなどは印象に残る。実はこれでも一作目ということでかなり遠慮している部分も多いのだ。二作目以降はもっと純度の高いネタシーンがぶっこまれることになるが、すでにその片鱗はある。

 ストーリーとしては、主人公たちが喧嘩に明け暮れていると、もっとヤベー高校のヤンキーが出てきて、抗争に発展するという王道路線だ。若干ブツ切りな部分はあるが、それでも、話の流れは単純なので、苦痛なくストーリーは追える。序盤のギャグ描写は今観ると、微妙に感じるかもしれない。とにかくハイテンションでバカバカしいので。まあそのあたりは現在のヤンキー映画でもよくあるので、ハマるかハマらないかの問題かもしれないが。

 ちなみに、今作の最大の抗争相手は卒業したら半分はやくざになる、通称「ヤクザ養成機関」と言われている私立戸塚水産高校だ。ここの学校の描写はもうヤンキー校というか、『マッドマックス』『北斗の拳』のような荒廃した世界だ。まあ、当時はそこかしこの窓ガラスが割れていて、窓からイスやら机やら飛んできた高校はあるにはあったらしいが、それでもこのレベルはないだろう。できれば同高校のナンバー1で、原作では出番がほとんどないが、最強と言われている岸直樹を出して欲しかった気もするが。

 当時同作を真似するヤンキー志望の中高生が続出したということがわかるほど、細かい荒さを問題にしないほど勢いがあるのが同作だ。80年代のヤンキー作品のエネルギッシュさを知るにはかなり良作と言える。
(斎藤正道=毎週土曜日に連載)

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