「司法取引でゴーン容疑者の不正を暴いた側の西川廣人社長(65)が、ゴーン容疑者の退任後の報酬を払う旨を定めた文書に署名していたことが判明。東京地検特捜部は、西川社長の逮捕も視野に入れ、動き出しているのです」(全国紙記者)
西川社長は、ゴーン容疑者の2度目の逮捕(12月10日)の金融取引法違反容疑で直近3年間の有価証券報告書虚偽記載のうち、'17年と'18年の提出責任者だ。つまり、会社として虚偽の有価証券報告書を提出していた最終責任は西川社長にもある。
「西川社長は、調べに対して『役員報酬の支払いとは認識していなかった』と説明しているが、それは通らない。特捜部は、捜査に協力している西川氏も“共犯”として立件せざるを得ない状況だ」(捜査関係者)
ゴーン容疑者の追い出しに成功したかにみえた西川社長が、道連れになるかもしれない…まるで喜劇のような展開だ。
「日産の首脳陣は一枚岩になっているように見えますが、実は西川社長と反目している役員もいるんです。日産プロパーの取締役は社外取締役を除いて3人。そのうちの志賀俊之元副会長と西川社長が犬猿の仲なのは経済界では有名な話」(経済ジャーナリスト)
ゴーン容疑者が逮捕された後に開かれた11月22日の取締役会でのこと。当初は西川社長の会長兼務が採決される予定だったが、仏ルノー出身の取締役だけでなく、志賀元副会長も難色を示したことで見送りになったと言われている。
「西川社長は社内で人望がありません。ルノーとのアライアンス問題が解決すれば、今度は日産経営陣の対立が表面化する。社内でも“退任後の報酬の合意文書”にサインしていた西川社長の責任が追及されるはず。その前に西川社長が共犯で捕まれば、日産経営陣は崩壊します」(日産関係者)
日産は、法人としてゴーン氏と同じ罪状で12月10日に起訴されている。
「ルノーは、日産に臨時株主総会を早急に開催するよう求めている。西川社長を追放し、会長の座を一気に奪う目的ではないか」(同)
この問題は、年を越してもさらに複雑化しそうだ。