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2016年ドラフト情報「即戦力か、将来性?」 スカウトの眼力が試される難解の年(東北楽天編)

 補強ポイントは明白だ。則本昂大に次ぐ先発投手である。則本以外の先発の防御率は4点台、森雄大(2012年1位)、安樂智大(14年1位)がまだ主軸になりきれていない点から考えても、今年の1位は社会人・大学生投手と思われる。また、楽天は入札競合後のクジ運が強い。田中正義(22=創価大/右投右打)で勝負してくるのではないだろうか。
 「外れ1位」の準備も必要だが、昨年、オコエ、吉持、茂木と上位3人で野手を指名した。「チーム(投手、野手の総人数)のバランス」をよく口にする球団でもあるので、外れ1位も「投手」と見て間違いないだろう。
 「外れ1位」の可能性があるのは、創価大・池田隆英(22=右投右打)、白鴎大・中塚駿太(21=右投右打)、新潟医療福祉大・笠原祥太郎(21=左投左打)、明治大・星知弥(22=右投右打)、流通経済大・生田目翼(21=右投右打)。中塚、笠原を評価するチームは多いので、再抽選の可能性が高い。明大の星ではないだろうか。10月2日、長島哲郎スカウトが明大対法大での星の視察後、メディア陣にこうリップサービスしている。
 「(星の)評価は済んでいる。どういう起用法が考えられるかの確認に来た」

 星は宇都宮工高時代にすでに150キロをマークし、関東地区担当の各スカウトを唸らせている。長島スカウトが視察した法大戦だが、6回までは1四球と好投し、変化球も折り曲げながらのピッチングを演じた。スリークオーター気味で腕の振りが鋭く、どちらかといえば、「クローザーになりうるリリーフタイプ」として見る球団のほうが多かったが、同スカウトの「どんな使い方が」のコメントを鵜呑みにすれば、「先発投手も務まる」と判断したのではないだろうか。また、生田目だが、こちらも球速は150キロを越すが、昨秋に右肘を痛め、どの球団もワンランク評価を落としている。一時期、「就職」を口にしたこともあったそうだが、秋季リーグ戦で自信を取り戻したようである。

 社会人投手で高く評価していたのが東京ガス・山岡泰輔(22=右投左打)。「完成された投手」と紹介されているが、「左肩が早く開かないようにと意識しすぎている」と、“欠点”を指摘するスカウト(他球団)もいた。しかし、ストレートは常時140キロ台。変化球でもストライクを確実に取れる投手だ。ドラフト直前になって、山岡の評価が高くならないのは、この他球団スカウトの言う“欠点”のせいだろうか。しかし、楽天内には「修正するのにさほど時間は掛からない。むしろ、伸びしろがある」と、プラス材料に捉える声もあるそうだ。
 繰り返しになるが、楽天サイドから聞こえてくるのは「即戦力が欲しい」の声。過去のドラフトで見せつけた“クジ運の強さ”からも田中競合にいく可能性は高いが、「即戦力が欲しい」の言葉に「ナンバー1でなくてもいい。確実に」の意味合いも含んでいるとしたら、1位入札は“抽選必至の田中”ではなく、山岡とも予想できる。あくまでも10月上旬での情報だが、「カープは地元広島県の瀬戸内高出身でもある山岡ではなく、田中で行く」の話も飛び交っていた。東京ヤクルトも佐々木千隼(22=桜美林大/右投右打)で行くらしい。どの球団も「外れ1位リスト」に山岡が入っているのは間違いないが、田中回避の情報がある球団のなかで、「最初の入札は山岡で」の声は聞かれなかった。楽天が堅実路線に切り換えれば、山岡の一本釣りは可能だ。

 また、楽天の現有戦力を見ると、若い野手も多いが、右バッターが少ない。「若い野手が多い=育成に時間が掛けられる」&「右バッター」で、九鬼隆平(18=秀岳館高/右投右打)を指名して来るのではないだろうか。九鬼の長打力は夏の甲子園大会でも証明されたが、センター中心に打ち返す『打撃の基本』ができている。「正捕手の嶋基宏が元気なうちに、後継者候補を獲っておこう」と考えるのなら、「打てる捕手・九鬼」は魅力的な素材だ。
 今季はセンターラインを託せる若手が頭角を表したので、野手の補充は少なくて済む。投手中心の少数指名になりそうだ。

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