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2019年の日本経済を暗示する百八つ目の“ゴーン”の音

 2019年の経済動向については厳しい見方が多いという。1月4日に大発会(取引所で新年最初の立ち会い)を迎えた東京市場が大幅な全面安の展開となった。

 「大発会の下落要因として挙げられたのは、米国IT大手アップルが、中国での販売不振の影響から業績を下方修正したことに始まった。今年は、米国との経済戦争による中国経済の失速の影響が、世界中に波及するということを早くも知らしめた」(経済誌記者)

 日本も他人ごとではない。特に代表的な産業である自動車業界において、今年は不安要素が尽きない。その一つとして挙げられるのが消費税増税だ。

「今年10月に増税が予定されているというのに、この時期の販売数としては明らかに低い。増税間際の駆け込み需要も、正直、あまり期待できない」(都内のディーラー)

 業界の動向に詳しい自動車評論家も悲観的だ。

 「今年は日本の自動車業界にとって、悪い意味で節目となる恐れがあります。消費税の影響もありますが、年をまたいでも解決に至っていない日産ゴーン社長の逮捕の問題は、日産や三菱のみならず、日本の自動車業界全体のイメージダウンにつながっています」

 日産や三菱の販売店をはじめとするディーラー網の社員のモチベーションの低下は当然だが、トヨタ自動車も従来の4チャンネル制の販売網を廃止するという話が進んでおり、こちらも士気が上がらない。

 「販売店を統一すれば、メーカー側は生産車種を減らすことが出来るといったメリットがあるが、ディーラーは近隣同士で食い合うことになる。ただでさえ、メーカーの世界戦略で日本市場専用の車種が減らされ、日本の消費者にとっては魅力的なラインナップではなくなっているのに、泣きっ面に蜂ですよ」(同)

 亥年の相場格言は「固まる」だそうである。悪い材料で固まることなく、猪突猛進で暗雲を吹っ飛ばす年になってほしいものだ。

 それにしても、大晦日に鳴った百七つの鐘の音が「ゴーンゴーン」と泣くように聞こえたのも気のせいではあるまい。ちなみに百八つ目の鐘の音は元旦に衝かれた。

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