日本代表も期待される逸材が移籍すると報道したのはスペインの『マルカ』紙で、スペイン一部リーグのレアル・マドリードとフランス一部のパリ・サンジェルマンが久保の代理人に問い合わせをしたと報じた。また、同じスペインの『ムンド・デポルティボ』紙が、久保が18歳となる今年6月にバルセロナへ復帰することで基本合意したと報じている。
これを受けて4月14日にFC東京の大金直樹社長が緊急会見を開き、「クラブとして、事実ではないと言いますか、『内定』という表現になっていますけど、例えばバルセロナと契約行為があったとか、そういったことはございません。交渉そのものも現時点ではありません」「(久保の)代理人が誰なのか知りませんし、私の中では代理人がいないという理解です。これはクラブとしての理解でもあります」と報道を完全否定。久保と今後のことについても「話してない」ともコメントした。
そんな中、5月にポーランドで開催されるU-20W杯に向けて合宿中のU-20日本代表の影山雅永監督は、今回選考から漏れた久保について「僕自身は来てもらいたかったですけど、協会とクラブで話し合ったときに『今回はノー』ということだった。僕は手元に与えられた選手でベストを尽くすということだけですね」と話している。
日本代表の森保一監督は6月に開催される南米選手権に参加するメンバーについて「協会の方で影山監督と話し合いながら、どのようにチーム作りを進めていくのか。選手の今の状況などについては情報交換し協力し合っています。(U-20W杯や南米選手権など)同時進行で大会があるので、選手をどうするのか、というところは話し合ってやっていきたいです」と語った。
今年6月で18歳になる久保は欧州への移籍が可能になるため、バルセロナ復帰が既定路線といわれている。しかしU-20はもちろん、東京五輪代表やA代表にも招集が期待されている。だが、バルセロナに復帰すればクラブ優先で代表に呼ぶことは難しくなるだろう。
サッカーの契約は突然決まることが珍しくない。わずか1日で移籍に合意することもあれば、移籍直前で破談になるのも当たり前の世界だ。果たして久保は、今シーズンが終了するとき、どこのユニフォームを着ているのだろうか。