「2024年、東京五輪の次のフランス・パリ大会なんですが、追加競技に当選した野球・ソフト、空手の存続は絶望的です。28年はアメリカ・ロス大会。アメリカは野球大国なので野球・ソフトが復活する可能性はありますが、まだ決定ではない。そうなると、21年と25年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)をいかに盛り上げるかが重要なカギとなってきます」(球界関係者)
野球競技はお客も入るし盛り上がる――それを手っ取り早くアピールする方法は、二刀流・大谷を国際試合で活躍させることだ。
だが、大リーグ機構はWBCの提唱者でありなから、またもやトッププレーヤーの大会派遣に難色を示し始めている。
「前回のWBC大会でアメリカ代表はようやく世界一の座を奪取できました。勝因は、それなりの主力クラスの選手を派遣したから。でも、主力クラスの選手を派遣するリスクを再認識させられたんです」(特派記者)
新たなリスクとは、多額な保険金だという。主力選手の所属球団は、万が一ケガをした場合のリスクを、WBCを主催する大リーグ機構に訴えた。その見返りとして、機構は保険金を掛けることにした。退会中にケガをして公式戦に出場できなくなったら、同じ力量クラスの選手を獲得できるよう、保険金を支払う約束を交わしたのだ。
そうなると、保険金の掛け金も大きくなる。よって、二刀流・大谷をWBCに出場させるとなったら、投手と打者の2人分の保険金が必要になる。大リーグ機構は大谷のWBC出場に、早くも難色を示したというわけだ。
「所属のエンゼルスはアナハイム市が所有する本拠地球場の長期契約を破棄しました。ロス五輪の競技会場ともなるロングビーチ市が『五輪施設の建設と同時に新球場造りたい』と誘致しています。球団がアナハイム市とロングビーチ市を天びんにかけられるのは、大谷というドル箱がいるからです」(同・記者)
大谷がいれば強気な商売もできる。WBCの出場に対してもそうだが、まさに“人質”状態だ。