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◎専門医に聞け! Q&A 食べてすぐ寝る生活

Q:仕事と住まいの関係で夕食は10時頃、食べ終わるのが11時で、寝るのは0時半頃です。早いときは0時に就寝します。このように食べてからあまり時間がたたないうちに寝るのは体によくないでしょうか。体調は特に悪いわけではありませんが、良好でもありません。_(40歳・自営業)

A:夕食から寝るまでの間隔が短いと体によくありません。

 なぜなら、食べたものが胃で消化吸収されるのに3〜5時間はかかります。睡眠中は臓器や神経の働きや血圧、血液循環は低下しますが、胃に物が入っていると、胃は消化のために働かざるを得ません。
 そのため、熟睡できません。脳は眠ろうとしていても、体はよく眠れないという状態となり、眠りが浅くなります。朝起きたときに胃がもたれることもありますが、それは胃が消化に負担を強いられた結果なのです。
 食べてすぐ寝る習慣を長年続けると、様々な病気を発症するリスクが高まります。食後は消化のための胃酸が活発に分泌されます。食べてすぐ寝ると胃酸が逆流し、逆流性食道炎のリスクも高まります。
 また、食後は血糖値が上昇しますが、起きて活動しているなら、血糖値は自然に下がってきます。ところが、食べてすぐ寝ると、睡眠中も血糖値が高い状態が続いてしまいます。摂取したカロリーがそのまま体内に蓄積されて、肥満を招く一因ともなります。

●早い時間に軽く食べよう
 最近では、スペインの研究グループが、早めに夕食を摂る、または、夕食から就寝まで2時間以上空けることが、乳がんと前立腺がんの発症リスク低下に関連すると発表しました。午後9時までに夕食を摂った人と、午後10時以降に摂った人とを比べても同様の結果とのことです。

 夕食から就寝までは最低でも3時間は間隔があることが望ましいと言えます。ご質問の方は、今は特に病気はないようですが、年齢的に今後も今の習慣を続けると、体調を崩したり病気になったりするかもしれません。

 仕事の都合で夕食が遅くなるとのことですが、夕方に軽く食べておき、帰宅後の夕食は軽めにするように切り替えたらよいでしょう。

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山口康三氏(回生眼科院長)
自治医科大学卒業。眼科医、漢方内科医。食事、運動、睡眠などを改善する生活改善療法を指導し、眼科の病気や生活習慣病の治療に成果を挙げている。日本綜合医学会副会長。

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