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【放送事故伝説】放送直前に「お蔵入り」!一度も日の目を見ていないテレビアニメ

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 1970年代に大流行し、子供たちの間で「都市伝説」の礎を築いたとされるのが「口裂け女」である。大きな白いマスクをし「私、キレイ?」と子供に語りかけ、大きな刃物を持って追いかけていく口裂け女の姿に恐怖した子供は40代以上の世代には多いことだろう。

 さて、そんな口裂け女であるが、20世紀最後の年、2000年に大きな注目を集めた事件があった。それが、テレビアニメ『学校の怪談』の「口裂け女放送中止事件」である。

 2000年10月22日から2001年3月25日までの間にフジテレビ系列局で放送されたアニメに、『学校の怪談』という作品がある。90年代末に小学生の間で流行った『学校の怪談』ブームは一段落した頃だったものの、毎週日曜19時30分という恵まれた時間帯もあり、平均視聴率12%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を超える人気番組だった。

 『学校の怪談』は、子供たちによるお化け退治を主軸に、子供同士の友情などを描いた良質なアニメだったのだが、放送開始からわずかしか経っていない第3話『あたし、きれい? 口裂け女』が突然、放送中止となっている。

 本作は2000年11月5日に第3話として放送予定だったが、当時の新聞などによると、放送前に「口唇口蓋裂症」の障害者団体からの強い抗議を受け放送が見送られることになったのだという。

 これまでの放送禁止作品の場合は、公開(放送)した後に問題が発覚。そのまま二度と再放送されずソフト化もされないというケースが多いが、この『学校の怪談』は予告編だけ公開後、本編は一度も日の目を見ていないという珍しいケースである。恐らく、高視聴率番組だったため、予告を観た視聴者からの指摘があり放送中止に至ったのではないかと思われる。差し替えでは「第1話および第2話の総集編」が放送された。

 なお、この事件の影響か、テレビで妖怪「口裂け女」が登場する機会は一時期的に少なくなったとされている。

文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)

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