欧州を舞台に白熱する米国VS中国の通信機器戦争

社会 週刊実話 2019年02月19日 19時03分

欧州を舞台に白熱する米国VS中国の通信機器戦争提供:週刊実話

 オーストリアの首都ウィーンに今夏、中国『ファーウェイ』の旗艦店がオープンする予定だ。

 「オーストリアのメディアによれば、ファーウェイの旗艦店はウィーンの一等地、観光通りのケルントナー通りに開店します。ホテル・ザッハーの近くで、同じ通りには米国アップル社のフラグシップショップがありますから、米中の通信機器大手の“ウィーンの戦い”が展開されるわけで、ファーウェイ社の狙いもここにあることは明らかですね」(欧州在会社員)

 ポンペオ米国務長官が2月11日から15日までハンガリー、ポーランド、スロバキアなどを歴訪したが、同長官の欧州歴訪の目的はファーウェイの欧州進出に対する米国政府の警告を伝達するのが狙いといわれる。

 すでに東欧では、チェコのバビシュ首相が昨年末、内閣の職員に対してファーウェイ製スマートフォンの使用を禁止した。その理由は「セキュリティー上の問題がある」からということだ。またポーランドでは1月8日、ワルシャワのファーウェイ社事務所の中国人職員をスパイ容疑で逮捕している。

 ところがハンガリーの中道右派のオルバン政権は中国の投資を歓迎し積極的に誘致している。ファーウェイ社はハンガリーに欧州向けの物流拠点を構築してきてもいる。そこでポンペイ国務長官はブタペスト入りし、オルバン首相に考えを改めるよう説得したらしい。

 ところでなぜオーストリアなのか。同国は欧州連合(EU)加盟国だが、中立主義を国是としているため北大西洋条約機構(NATO)には加盟していない。一方、ハンガリーはEUとともにNATOにも加盟している。それゆえに、ハンガリーを通じてNATO関連の軍機密情報が、中国やロシア側に流出する危険性が排除できなくなるだけに米国の懸念も深刻なわけだ。そのあたりを中国も忖度し、ウィーンに落ち着いたのだろう。

 「中国は過去10年間で1000社以上の欧州企業を買収してきました。例えば、有名な企業としてはイタリア・ミラノに本社を置くタイヤ・フィルターのメーカー、ピレリは『中国化工集団』傘下に、スウェーデンの自動車メーカー、ボルボは10年、『浙江吉利控股集団』(ジーリーホールディンググループ)に18億ドルで売却されています。中国国有の中国中車(CRRC)の車両はチェコを走っているほか、4つの空港と6港湾、そして13のプロサッカーチームが中国の支配下にあります。ただ中国の欧州企業購入ラッシュは16年がピークでした。中国は同年、309社の欧州企業と商談を締結し、総額は858憶ドルでしたが、昨年は196社、総額312憶ドルと急減しています。米中間の貿易戦争の影響の他、中国側が欧州の反発を恐れてブレーキをかけた結果と分析されています」(国際ジャーナリスト)

 米中は、欧州を舞台に激突中なのである。

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