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オリックス担当記者が分析、“マッチョマン”吉田正の一発で交流戦前に借金返済を!

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吉田正尚

 オリックスが4試合と変則だった先週の試合を、3勝1敗と勝ち越して借金を再び2つ縮めて「3」にまで持ち直した。西勇輝に直接の白星が付かず、山岡もまた勝つことが出来なかったが、新外国人左腕アルバースは安定感のあるピッチングを継続中で、ルーキーの田嶋は早くも5勝目を達成した。打撃陣は相変わらず湿りがちだが、ちょっとした入れ替えが功を奏した1週間だった。

▼5月15日〜20日 オリックス成績
【対千葉ロッテ 富山アルペンスタジアム】
5月15日
○アルバース 7-2 石川歩●
【対千葉ロッテ ZOZOマリンスタジアム】
5月17日
○山本由伸(先発は西勇輝) 6-3 内竜也(先発は渡邉啓太)
【対埼玉西武 ほっともっとフィールド神戸】
5月19日
●山岡泰輔 0-7 多和田真三郎○
5月20日
○田嶋大樹 3-0 榎田大樹●

※42試合19勝22敗1分け。首位・西武とは7ゲーム差のパ・リーグ4位。

 先週は地方の富山から始まった1週間。オリックスはオープン戦も含めて4試合目のロッテ戦先発となるアルバースを、2週続けてカード頭に投入。首脳陣の期待に応えたアルバースは6回を3安打、無四球、1失点と好投。打線も宗佑磨のタイムリー、T-岡田の4号ソロなど奮起。アルバースはロッテ戦無傷の3連勝。対戦防御率も1.59と今後もロッテキラーとして、ロッテ打線の前に立ちはだかることになりそうだ。移動日を1日挟んで千葉では、好投を続けながらも、なかなか勝ち星に繋がらない西がまたまた好投。1点リードで7回を投げ終えると、球数が99球だったことや中5日での登板だったことを考えて、福良監督は8回から継投へ。しかし、2番手“オリの神童”山本由伸が、球のキレは良かったものの、変化球が暴投になり失点を許してしまう。最終回に小田裕也の勝ち越し打でチームは勝利を収めたが、福良監督は「きょうは序盤ですよ!あれじゃ西が可哀想だ」と序盤のチャンスを何度も生かせなかった打線の主軸に対して、勝ち試合にしては珍しく強い口調で苦言を呈した。

 「宮崎は良かったですね。西野も昨年から取り組んでることが形になってきた」

 そんな福良監督が野手陣の中で評価したのは、先週から昇格した宮崎祐樹と西野真弘の2人。宮崎は、富山で活躍した宗が太ももに強い張りを感じ移動日に抹消されたため、急遽千葉から合流。西野はカード頭から不振のマレーロと入れ替わった。宮崎は昨年も春先から交流戦にかけて1番センターとして起用され、低迷していた打線に風穴を開ける役割を果たしており、監督からは「斬り込み隊長」と命名されていた。17日の試合では、1番宮崎が3打数2安打、2番の西野が3打数3安打とチャンスメイクを作り機能している。19日の西武戦からは中島宏之との入れ替えで、後藤駿太が今シーズン初昇格。後藤は「今回のチャンスはしがみつく」と闘志を燃やしていた。宮崎や後藤のライバルとなる“正センター”の宗は軽症のため、短期間で復帰を果たす見込み。この“ワンチャン”を活かせるかどうか…宗が戻ってきたのと同時に、武田健吾も含めた真の競争が繰り広げられるはずだ。

 週末に神戸に戻って行われた首位・西武との2連戦。初戦の山岡は今回も序盤は惚れ惚れするぐらいの完璧なピッチングを披露するも、5回に先頭の森友哉に2塁打を打たれ、3塁まで進まれると自身の暴投で先制を許してしまう。これで心の何かが切れたのか、メヒアに1発を食らってこの回なんと4失点。監督は「5回は山岡のひとり相撲だった」とバッサリ斬られていたが、打線は西武先発の多和田を相手に完封負け。これでは山岡を責められない。2戦目は先週楽天に敗れたルーキーの田嶋が「流れを変えるために」と登場曲をオープン戦から使ってきた欅坂46の「エキセントリック」から「ガラスを割れ!」に変更し、マウンドへ。田嶋はデビュー以来、ベストピッチングともいえる7回を109球、4安打、6三振、無失点の内容で降板し、由伸と増井が無失点リレーで、主砲ロメロの1発を含む3点を守って田嶋に5勝目をプレゼントした。田嶋は「二桁勝利」をひとつの目標にしており、そこにはある“強い思い”も抱いている。交流戦前に半分達成できたのは、田嶋にとってもチームにとっても大きい。

 22日からは最下位・楽天3連戦(仙台2試合、東京ドーム1試合)と、5位・ロッテ3連戦(ほっと神戸2試合、京都1試合)の計6連戦が交流戦前最後の公式戦として行われる。交流戦前に借金を返済するには、この6連戦を5勝1敗(引き分けを考えない場合)の好成績が条件となるが、下位チーム相手なだけに,ここはしっかり連勝をして、返済してもらいたいところ。特に先週3連敗を喫した楽天にはキッチリとお返しをする必要がある。今週のキーマンは7試合連続安打を更新中ながら、5月4日のソフトバンク戦以来、ホームランが出ていない“マッチョマン”吉田正尚である。7試合連続安打更新中にもかかわらず、一発がなかなか出ないため、正尚が打っている印象は薄いのは気の毒な話だが、それぐらい正尚に対しては,ホームランに対する期待値が高い。昨年からグッズでもチームで1番の売り上げを記録しており、グッズ関係者は「今年も正尚選手が断トツですよ」と正尚人気に期待を寄せている。これを聞いた正尚は「活躍しなきゃいけないですね」とファンの期待を自分の胸に叩き込むように話しながらグラウンドに走っていった。

 デビューから腰痛に悩まされた正尚だが、今年はケアをしっかりしながら、開幕から全試合に出場している。「正尚が1年間いたら…」ファンや関係者はこの2年間そんな妄想をずっと抱いてきた。しかし、いちばんそれを望んでいたのは吉田正尚本人であるのは言うまでもない。セ・リーグの投手陣が試合前から嫌がるような大爆発を今週の6連戦で見せてほしい。

取材・文 / どら増田
写真 / 垪和さえ

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