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子どもへの躾と体罰を考える

 近年、若年層の両親たちによる、子どもたちへの児童虐待事件が新聞を賑わせています。

 これらの事件は、一昔前の時代では考えられなかった内容だと思います。なぜ、そこまで大人による児童虐待が増えてきたのか、その原因を私なりに探っていきたいと思います。

 まずは事件を起こす親たち自身が、幼少期に複雑な家庭環境で育ってきたか、あるいは親の愛情を満足に受けずに育ってきたことが想像されます。児童虐待をしている親の中には、自分が子どもの頃に親にされたことを、子どもにする例が最も多いようです。
 自分が子どもの時に、厳しい躾で育てられたから、自分の子どもに関しても躾を厳しくしたという親が、躾と児童虐待を混合しているように、私には思えてなりません。

 以前、ラジオの相談番組で、8歳になる自分の子どもが、外で他の子どもの顔面を蹴っているという、子どもの暴力を相談している母親がおりました。この母親には子どもが他の子どもに対して、どうして暴力を振るうのか理解ができないという趣旨のものでした。
 回答者の先生が言う内容は「お母さんは、ご自分のお子さんに対して、蹴ったりしてはいませんか」という言葉でした。それに対して相談者の母親は「躾のつもりで、子どもが言うことをきかない時に、蹴ったりしています」。そう答えたのです。
 その答えを聞いた先生が「貴方のお子さんが他の子どもに対して暴力を振るうのは、貴方が家で、子どもに対して蹴ったりしているからですよ。子どもは貴方にされたことを酷いこととは思わずに、他の子どもに対して行っているのです」。そのことを聞いた相談者は、涙声になって「自分も躾を厳しくされたから、子どもに対して躾を厳しくしたつもりでした」と言ったのです。
 親が躾のつもりで子どもに対して体罰を加えたことを、子どもが理解できなかったのでしょう。これらの例からも躾と体罰について、現在子育て中のお父さん、お母さんも一考されてはいかがでしょうか。
(藤原真)

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