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打倒、パ・リーグTV!「新日本ワールドを日本一に」木谷オーナーが戦略発表会で明言!

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(C)新日本プロレス

 新日本プロレスは16日、都内で久々となる戦略発表会を開催した。

 今回も木谷高明オーナーがプレゼンテーションする形で行われ、今後に向けた様々な成長戦略が明らかになった。

 「過去最高の売り上げは96年から97年頃の40億円弱。利益は既に過去最高に達している」

 まず、ブシロード傘下になった2012年以来、右肩上がりを続けている新日本プロレスの売り上げに関して、今期(2017年)は37億円を見込んでおり、さらに来期(2018年)は計画として45億円、目標として50億円という史上最高の売上げを目指すことを表明。木谷オーナーは新日本プロレスを買収時に「WWE(アメリカ)が600億円なら、新日本は60億円売り上げないと話にならない」と大きな目標を語っていたが、その目標も現実味を帯びてきた。

 「選手の出場回数などは減らす工夫をしながら、さらに利益を伸ばすにはどうすればいいのか?」

 木谷オーナーはこう語ると、世界ナンバー1の大手であるWWEとの差についても言及。商品の売り上げは「4分の1、5分の1に肉薄している」というものの、デジタル収入やMD(マーチャンダイズ)収入は、まだ遠く及ばないとし、今後の基本戦略として、ライブ戦略、デジタル戦略、グローバル戦略と3つの基本成長戦略を打ち出した。

 「今、日本でナンバーワンのサービスはパ・リーグTV。新日本プロレスワールドの会員数が10万人に達すれば日本一の専門配信サービスになる」

 3つのうち、デジタル戦略の発表のなかで目を引いたのは、2014年12月からサービスを開始し、現在約5万人の会員数を誇る『新日本プロレスワールド』を、国内最大のストリーミングサイト『パ・リーグTV』(2012年シーズンよりサービス開始)の会員数を超えるサイトにすると宣言したことだ。

 『パ・リーグTV』は、日本プロ野球のパ・リーグ6球団が共同で設立したパシフィックリーグマーケティング(PLM)の主力事業。米大リーグ機構(MLB)のMLBアドバンストメディア(MLBAM)が、2000年から手掛けている映像配信サービス『MLB.TV』がモデルとなっており、パ・リーグ球団主催試合の全試合を中心に配信。大谷翔平(北海道日本ハム)らスター選手の誕生による昨今のパ・リーグ人気も伴って、現在約7万人の会員を獲得している。

 MLBの『MLB.TV』を意識しているという点では、WWEの『WWE NETWORK』を意識している『新日本プロレスワールド』と似た環境にあるサイトと言ってもいいだろう。また、元北海道日本ハムの台湾人選手、陽岱鋼(現・巨人)が英雄扱いされており、他にも台湾人選手がパ・リーグ球団に入団していることから、PLMは台湾でのプロモーションにも力を入れている。その結果、『パ・リーグTV』は台湾でも加入者が増加。また、中南米にも映像を売り込むなど、助っ人外国人を通じてグローバルな展開をしている点も、5万人のうち、約1万人が海外の会員が占めている『新日本プロレスワールド』と通じるものがあると言えるだろう。

 日本一の専門配信サービスを目指すための戦略として、「アメリカではプロレスをケーブルTVで毎週20万人以上が観ている」ことを例に挙げ、『新日本プロレスワールド』をスマートフォンやタブレット端末、PCだけではなく、テレビでも視聴可能にし、Chromecastに続いて、amazon FireTVも近日対応可能になると明言。「自宅で24時間、新日本プロレスだけを見られるという夢のような時代」と木谷オーナー自身も待ちきれない様子だった。

 「最初はG1(クライマックス)を全試合流したら会場にお客さんが来なくなるという声もあったが、僕はむしろ見たら見ただけ、会場に足を運びたくなると思っていた」

 このように木谷オーナーが自信を持っていたというライブ配信に関しては、ビッグマッチの全大会・全試合の配信はもちろん、さらに増やしていくことで、さらに会場の集客にも結びつけていきたい考えだ。またアメリカ・ROHやイギリス・RPW、メキシコ・CMLLなど世界の団体と提携して海外マットのライブ配信を強化していくことも表明。また英語実況配信については「レスラーの言葉はわかりやすいので、英語の勉強にも使ってもらえたら」と述べた。

 今後は「過去の試合。特に2000年代の試合がまだ薄いと思うので、ライブラリも拡充したい」と語り、オリジナル映像も含めて「ファンの皆さんからリクエストを募りたい」旨を表明した。

 ライブ戦略では、2020年までに、1.4東京ドーム大会を満員にすると断言した木谷オーナー。グローバル戦略では、アメリカへの本格進出も発表している。その双方を繋ぐ意味でも、世界中から新日本プロレスの試合を気軽に見ることができる『新日本プロレスワールド』が果たす役割は大きい。『パ・リーグTV』がモデルにした『MLB.TV』は800億円規模まで売り上げを伸ばしていると言われているだけに、ストリーミングサイト事業は、ビジネスの観点からも無限の可能性を秘めている。

 世界中の注目が東京に集まる2020年に向けて、新日本プロレスの快進撃は止まらない。

(どら増田)
(C)新日本プロレス

【新日Times vol.68】

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