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蝶野正洋の黒の履歴書 ★自分の身を守れるのは自分自身のみ

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提供:週刊実話

 高齢者による交通事故が続いていて、社会問題化してきたな。免許を返納する高齢者も増えてるみたいだけど、俺はシンプルに「車は危ない」ってことを、もう1度みんなで考える必要があると思ってる。

 4月に起きた池袋の暴走事故は、運転手が「ブレーキを踏んだが効かなかった」って言ってるけど、事故の原因は車の故障じゃないだろ。運転手は高齢ということもあるけど、高級官僚をやっていたっていうから、そもそもプライドが高いんだと思う。逆にいえば“仕事ができた人”で、そういう人がなにかミスをすると、気が動転して「自分のせいじゃない」って思ってしまうんだよ。

 あの事故は、暴走する直前、カーブを曲がる手前でガードレールにぶつかってる。たぶん、あの時点で頭がカーッとなって、逆上したんじゃないかな。俺も車を運転してぶつけたときは、一瞬で頭に血が上ったことがあるから、分かる気がするな。

 ガードレールにバーンってぶつけちゃって、隣に座ってる奥さんから「あんた、どうしたの!?」なんて言われたら、平常心を保てなくなる。普通のカーブでぶつけてしまったという、自分のありえなさにワケが分からなくなってパニックを起こしたんだろうね。

 これは他人事じゃないよ。年をとってくれば、肉体だけじゃなく、感覚や判断力も衰える。それを「自分だけは若いときと変わらない」なんて過信して、プライドも高いままだったら、なにか起こったときに、恥ずかしさと怒りで余計にパニックになるからな。

 俺は、車は元々危ないモノだと思う意識があるから、乗るときも、道を歩いている歩行者としても、すごく気をつけてる。ウチの子供たちにも、横断歩道を歩くときは手を挙げなさいだとか、常に注意しておかないと「ダンプがぶつかってくるぞ」って毎日脅してる。

 子供に“車が危険”なことを教えるなんて、そんなの当たり前じゃないかって思うかもしれないけど、最近の子供は車に対する意識が変わってきている。

 以前、俺が住んでた世田谷(東京)は、どこも道幅が狭い。ウチの前も通学路になっていて、都会の子供たちは徐行運転をしても、避けないどころか車を睨みつける。車に対して「なんでこんなとこ入ってきてんだよ」とか、文句言ったりもするからな(笑)。車は歩行者を避けるものって思ってるんじゃないか。俺がいま住んでる横浜の子供は、普通に車は警戒するよ。

 これは、親が「交通事故は車のほうが悪いんだ」ってことを子供たちに教え込んでるんじゃないか。でもな、事故が起こってどっちが悪いとか、過失の割合が1対9ですとか、そんな保険屋みたいな話をしてる場合じゃないだろ。最悪の場合、車にぶつかったら死ぬんだから。“自分の身は自分で守る”っていうことを優先して教えるべきだと思うよ。

 いまどきの子供も高齢者も、なにか問題が起これば誰かが助けてくれるとか、社会が守ってくれるという意識が強くなってるのかもな。社会といってもプロレスのリングと同じで、信じられるのは自分だけなんだから。『週刊実話』の読者も危険を察知して対処する能力は、常に磨いておけよ!

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蝶野正洋
1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。

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