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「列島消滅!」新燃岳が誘発する巨大カルデラ噴火の“恐怖の連鎖”

 3月15日現在、宮崎県と鹿児島県境にある霧島連山の新燃岳では、噴火警戒レベル3(入山規制)が継続中。新燃岳火口から概ね4キロメートルの範囲で大きな噴石が飛散し、火口から2キロメートルの範囲で火砕流の警戒が発令されている。
 「御嶽山や草津白根山の噴火は水蒸気爆発でしたが、溶岩が流出した今回の噴火は規模が大きく、これからどこまで噴火が広がるかは分かりません」
 とは、地震学が専門で武蔵野学院大特任教授の島村英紀氏。懸念されるのは、観測史上初の溶岩流出となった新燃岳噴火が引き起こす“連鎖”だ。
 「新燃岳は西日本火山帯に属していますが、九州全体の火山が活性化しています。火山がカルデラ噴火を起こせば、火砕流が鹿児島県の川内原発にも到達しかねません」(同)

 九州地方には、中央部の阿蘇山から南西方向に霧島火山帯が伸びている。そこには、北から順に阿蘇カルデラ(熊本県)、姶良カルデラ(鹿児島湾北部)、鬼界カルデラ(大隅海峡)などが形成され、特にこの3つは過去、とてつもない規模の破局噴火を起こしている。
 「中でも、約27万年前から9万年前までに大規模な噴火が4回発生している阿蘇山は、次の破局噴火が近いとする専門家もいる。4回目は日本で起きた最大級のカルデラ噴火とされ、その際に放出されたマグマの量は、約7300年前に縄文文化を一度滅ぼしたとされる鬼界カルデラの噴火の、5倍以上に相当すると言われているんです」(サイエンスライター)

 その被害は当然、現代においても甚大なものとなる。
 「カルデラ噴火研究の第一人者で知られる神戸大学の巽好幸教授によれば、大阪では50センチ、東京でも20センチの火山灰が積もるとしている。そうなれば交通網は寸断され、火力発電もタービンが灰を巻き込み不能となって列島がマヒ状態に陥る可能性があるのです」(同)
 もし、巨大カルデラ噴火(破局噴火)が起きた場合、数百℃にも達する高温の火砕流が2時間以内に九州ほぼ全域を焼き尽くし、東北地方でも10センチ以上の火山灰が降り積もり、最悪の場合日本という国家が消滅するという。

 その阿蘇山は一昨年の熊本地震の影響を受けるかのように、同年10月に噴火。今年も3月1日以降、火山性微動が急増している。
 「カルデラ噴火は目の前で起きたわけではないので、予測も直前にならなければできないのではないか。そろそろ起きても不思議ではない。火山国に住むとは、そういうことなのです」(前出・島村氏)

 不気味なのは、カルデラ噴火の前にどんな兆候があったかは判明しておらず、実際は噴火予知は不可能というのが学者の一致した意見。現実問題として、巨大地震の予知以上に、現時点でカルデラ噴火の予知は極めて困難なようだ。かと言って、いま慌てふためいてみたところで仕方がないのだが…。

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