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行列の出来る? 「町弁(街の弁護士)ダイアリー」(1)

 京都・亀岡警察署の自動車運転死傷事件で、警察官が被害者側の電話番号を加害者側に教えた事が問題になっている。

 どういう経緯で教えたのかは不明であるが、ちょっと有り得ない話だ。
 地方公務員は職務上、知り得た秘密を守る義務があるので今後、地方公務員違反に問われる可能性もある。
 もっとも、現場の警察官は「取り急ぎ、加害者側から被害者に謝罪すべきだ」と考えて『善意』で教えたのかも知れないが、事件が事件だけに、ひと言上司に相談すべきだったと思う。僕は、刑事事件も結構、担当するが、被害者の存在する傷害や恐喝といった犯罪は、被害者との示談で苦労する事が多い。被害者の意向で連絡先を教えてもらえず結局、公判請求後にようやく示談、というケースもある。

 とはいえ数年前、担当した恐喝事件では担当刑事とウマが合い、その刑事の積極的な仲介で被害者と警察署の会議室で示談書を交わした、というレアケースもあった。まあ、最終的には、事件の結末というのは、このような「人間関係の運」に左右される事も…。これが現実なのかもしれない。

 「人間関係の運」と言えばこの人、小沢一郎だ。
 野田総理もビックリの無罪判決は世間のド肝を抜いた。
 だが、この事件は重要な供述調書が証拠として採用されなかったのだから、ある意味、当然の結末かもしれない。
 昔、友人の刑事裁判官から「無罪判決しか書きようが無い事件もごく稀にある」と聞いたことがある。司法修了生の頃、よく「弱気な検察、強気の刑裁(刑事裁判)」と言われた。
 要は、検察官が慎重に吟味した上で起訴した事件について、そう簡単に「無罪判決」を書くな、という趣旨だ。
 それにしても、今回の小沢事件は検察が一度不起訴にしたのだから、無罪のリスクは通常の事件に比べ高い。
 しかも、当の被告人を社会的に抹殺する道具(政争の道具)に使われる危険性があるわけで、このような強制起訴の制度は、根本的に見直されるべきだと僕は考える。(クレセント法律事務所・弁護士 平手啓一)

<プロフィール>
◎平手啓一(ひらてけいいち)
◎千葉県生まれの静岡育ち(時と場合によって使い分けする)
◎年齢不詳(タニタの最新機に基づく体内年齢は39歳! ただ、誰も信じない)
◎静岡県立藤枝東高→中央大法学部(いずれも何とか卒業させてもらいました。多謝。尚、藤枝東はサッカー日本代表キャプテンの長谷部誠も卒業しています)
◎趣味(1)は登山とギター(登山は最近、トレッキングというそうですが、「山ガール」とお話するだけでリフレッシュするのです。ギターは30年ぶりに再開。初心者のクセに結構、いいギターを所有。何でも形から入るもんで←静岡弁で)
◎趣味(2)はスポーツ観戦と銀ブラ(スポーツ観戦は勿論、野球。タイガース一筋ウン十年。東京ドームや神宮球場での観戦が好き←ビジターオンリー。銀ブラは専ら昼間専門です)
◎クレセント法律事務所を主宰→町弁歴25年余り(弁護士激増時代の中、経験値と特殊な人脈《別にヤバイ人脈じゃないよ》で何とか食いつないでいる。
◎性格=おおらか、まったり…悪く言えば「アバウト」
〜ひと言〜
 町の弁護士を四半世紀ほどやっております。これまでの経験から見た法律実務の盲点や新聞テレビで報道されない裏事情を僕なりの観点からコメントします。モットーは「嘘やオベンチャラは書かない」事。本音でいきますので宜しく。あとは趣味に係わる事なども随時、書いていこうと思います。

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