東京ムジークフローが19世紀ロシア音楽を演奏

トレンド 2011年01月18日 14時00分

 オーケストラ・東京ムジークフローの特別演奏会が、1月15日に東京・江東区文化センターで開催された。ボロディンやリャードフ、チャイコフスキーという、19世紀後半を中心に活躍したロシアの作曲家の楽曲を演奏した。

 東京ムジークフローは、1967年に設立されたアマチュアのオーケストラである。ムジークはドイツ語で「音楽」、フローは「楽しみ」という意味で、「アンサンブルにより音楽の歓びを求める」を理念とする。

 メンバーには20歳から60代まで、幅広い年代が参加している。指導者は日本初のヴィオラ・ダ・ガンバ奏者でもある菊地俊一氏で、演奏会の指揮者である。コンサート・ミストレス(コンミス)は朴琴愛氏である。

 最初にアレクサンドル・ボロディンの歌劇「イーゴリ公」より「ポーロヴィッツ人の踊り」を演奏した。「イーゴリ公」は、遊牧民族と戦った中世ロシアの英雄を主人公とした作品である。「ポーロヴィッツ人の踊り」は、古くは「ダッタン人の踊り」で知られた曲であるが、民族的にはポーロヴィッツ人が正しい。

 捕虜になったイーゴリ公にハン(遊牧民の首領)が自分の力を見せつける宴会シーンで演奏される曲である。この説明からはハンを称える勇壮なメロディを想起されるが、ハンに遠方から連れてこられた奴隷の踊り子たちの望郷の念も込められている。哀愁と強烈さという多彩なメロディが特徴で、ロシア音楽の奥深さを感じさせる。

 次の曲はアナトール・コンスタンチノヴィッチ・リャードフの「8つのロシア民謡」である。リャードフは、リムスキー=コルサコフに師事した作曲家である。『ロシア民謡大全』編纂などロシア民謡の収集に尽力し、その成果が「8つのロシア民謡」である。これは「賛歌」「降誕祭の歌」「哀しみの歌」「おどけ歌」「小鳥の物語」「揺りかごの歌」「踊り歌」「輪舞」という8つの小曲からなる。短い曲の中に親しみやすいメロディに溢れていた。

 休憩をはさみ、最後はピョートル・イリイチ・チャイコフスキーの交響曲第3番「ポーランド」である。チャイコフスキーはロシア音楽の巨匠であるが、交響曲第3番とはマニアックな選曲である。「8つのロシア民謡」とは対照的に、第5楽章まである長い管弦楽曲である。愛称「ポーランド」は、第5楽章がポーランドの民族舞曲「ポロネーズ」になっていることに由来し、ポーランドを意識したものではない。

 むしろ冒頭の葬送行進曲は、暗く重苦しいロシアの世界を特徴づけている。すぐに明るいメロディが登場し、ここでもロシア音楽の多彩さを印象付けた。晩年の楽曲に比べると、チャイコフスキーの人生を貫いた内面の苦しみというものが見えにくいが、その分、ヘビーな愛好家ではなくても聴きやすい曲である。圧巻は第5楽章で、迫真の演奏で締めくくる。演奏終了後に菊地氏が「しんどい曲」と形容したように、パワフルな演奏であった。
(林田力)

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