海老蔵はこの運命を越えられるか…市川團十郎の呪いと悲劇の歴史

ミステリー 2019年06月23日 23時00分

海老蔵はこの運命を越えられるか…市川團十郎の呪いと悲劇の歴史市川海老蔵

 来年2020年の5月に、現・市川海老蔵が十三代目市川團十郎白猿を襲名する。

 團十郎家には数々の因縁がある。以前筆者が別の記事で説明したが、名跡そのものに呪いの連鎖があることを再度説明しておこう。なぜか團十郎という名跡を継ぐと、不幸になってしまうのだ。

 まず、初代團十郎は役者仲間に舞台上で刺殺されている。人気役者が舞台上で演技中に刺殺されるなど考えられないことだ。

 二代目團十郎は、日本初の千両役者となったが、絵島生島事件に巻き込まれ、事態の収拾に奔走する日々を送った。三代目の團十郎は、寛保元(1741)年に大坂で上演中、病に倒れ、翌年(1742年)に死去している。

 四代目團十郎は67年の人生を送った。五代目團十郎も名人と評され、文化3(1806)年、66歳の天寿を全うした。歴代團十郎の中で平穏な人生を送ったのはこの2人ぐらいだ。

 六代目團十郎は襲名後、風邪をこじらせて急死。22歳であった。さらに七代目團十郎は、暫(しばらく)、外郎売(ういろううり)などの歌舞伎十八番などを選定したが、天保13(1842)年、天保の改革により、江戸から追放されている。八代目團十郎は、『切られ与三』の与三郎役で人気を博した二枚目だが、嘉永7(1854)年、江戸から追放された父親(七代目團十郎)に会うために大阪に行くが、旅館で自殺してしまう。動機は分かっていない。

 九代目團十郎は、八代目團十郎の弟。養子に出された先で、強盗の被害に遭っている。本人は九死に一生を得るが、養父は刺し殺された。また、五代目・市川新蔵を養子として、十代目にすべく育成するが、新蔵は病で片目を失明、その後急死した。十代目團十郎は、死後にその名を追贈された九代目の娘婿であり、生前に團十郎と名乗ったことはない。28歳で銀行員から転職した異色の歌舞伎役者だったが、役者としては恵まれなかった。

 十一代團十郎は、他家から十代目市川團十郎の養子に。昭和37(1962)年4月『一億円の襲名』と呼ばれた襲名劇により、歌舞伎人気を復活させる。だが、襲名から3年半後の昭和40(1965)年11月10日、胃癌で死去。悲劇の名優とされた。そして、十二代目の市川團十郎は、白血病を発症しながら名優への道を進んでいたが、2013年に惜しまれながら死去した。

 このように、この團十郎という名跡そのものが大変な因縁と宿命のある名前なのだ。

(山口敏太郎)

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