俺達のプロレスTHEレジェンド 第5R 現代に蘇る1人ガリバー旅行記〈アンドレ・ザ・ジャイアント〉

スポーツ 週刊実話 2014年01月13日 11時01分

 デカいというだけなら、もっとデカいレスラーは何人もいる。身長だけならエル・ヒガンテの方が10センチ近く上回るし、デカくて動けるというのならWWEのスーパースター、ビッグ・ショーがいる。
 しかし、その存在感でアンドレ・ザ・ジャイアントに匹敵する者は今に至るまで現れていない。巨人レスラーの代表といえば、アンドレをおいて他にない。
 「あえてアフロヘアのかつらをかぶることで自分のデカさと怪物性を強調するなんて発想は、誰もができるものではないよ。“ロープにもたれ込んだ際に腕が絡まって動けなくなる”というムーブも、アンドレほどに上手なレスラーは、他にはいなかったな」(ベテランプロレス記者)

 まさに、ただの“見世物”の枠には収まりきらないエンターテイナーであった。だからこそ、全盛時には世界中のマットで主役を張ることができた。『年間ファイトマネー40万ドル』(1974年度のギネスブックに記載)は、ダテではないのである。
 ちなみに当時の円ドル為替レートは、1ドル300円程度。現在の物価は当時の約3倍ほどだから、換算して年間3億円以上を稼いでいたことになる。

 そうして世界的にベビーフェースとして成功していたアンドレだが、新日へ来日したときはヒール役を与えられることになった。
 「いつも不機嫌そうにワインを飲んでいる印象だったけど、それは慣れない役回りに不満があったからかもしれないね」(前同)

 “猪木に乗り越えられる敵役のモンスター”にすぎなかった−−。そんなアンドレを、今もファンの記憶に強く残るレジェンドにまで昇華させたのは、何といってもテレビ実況を務めた古舘伊知郎の存在だろう。
 『現代に蘇る1人ガリバー旅行記』『1人民族大移動』『1人というには大き過ぎる。2人と言ったら人口のつじつまが合わない』…。
 これら数々の名フレーズによってアンドレのキャラクターは、ただの怪物にとどまらない物語性を身にまとった存在として、ファンの心にしっかりと焼き付けられていった。今でこそニュースキャスターとして何かと言われることの多い古舘だが、長きにわたるプロレスファンからすれば、彼もまた昭和プロレスを彩るレジェンドのひとりなのである。

 猪木との戦い以外にも、スタン・ハンセンとの伝説の一騎打ち('81年、田園コロシアム)や覆面姿のジャイアント・マシーンへの変身('85年、チャレンジスピリット・シリーズ)など、強烈なインパクトを放ち続けたアンドレ。しかし、生来の巨人症とアルコール多飲による不摂生は徐々にその身体をむしばんでいった。
 「若いころと比べて体重が激増したこともあって、'80年代中盤には、もう膝や腰がパンク寸前だったらしい」(前同)

 アメリカでの主戦場であったWWF(現WWE)でも、一時はハルク・ホーガンを破って王座に就くが、その後はアルティメット・ウォリアーなどの次世代レスラーを売り出すための“かませ犬”的な扱いを受けるようになり、徐々に出場機会を減らしていった。
 そんなときに、日本において新日から全日への円満移籍となったのは、アンドレにとっても、またファンにとっても幸いだった。

 最初にジャイアント馬場と“大巨人コンビ”を組んだのは、'90年4月に行われた『日米レスリングサミット』(東京ドーム)のリング。両者初タッグのこのとき、入場テーマ曲こそ馬場のものが使用されたが、先に入場したのも試合に先発したのも馬場。フィニッシュも、馬場の十六文キックで相手が倒れたところにアンドレがエルボードロップを放ち試合を決めるという、馬場流の“おもてなし”にあふれたものとなった。
 同年暮れに行われた世界最強タッグ決定リーグ戦では、やはりジャイアント馬場とのコンビで、当時売り出し中のテリー・ゴディ&スティーブ・ウィリアムスの殺人魚雷コンビを破るなど“絶好調”が再来。観客からの声援は新日時代と異なって、完全にベビーフェースに対するそれに様変わりした。
 アンドレ自身もまた、かつて日本では見せたことのないような満面の笑顔で、ファンからのコールに応えてみせたのだった。

アンドレ・ザ・ジャイアント
 1946年、フランス出身。'70年、モンスター・ロシモフの名で国際プロレスに初来日。以降はアンドレ・ザ・ジャイアントとして新日本、全日本両団体に参戦する。'93年1月27日、急性心不全で死去。享年46。

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