「スポーツメディアは“2強対決”と煽りますが、ハイレベルなアメリカで修行するサニブラウンにとって、今回のメンバーは明らかに格下です。地元で記録を更新することにより、『スター選手として不動の名声を手に入れるのは確実』と見る関係者も少なくありません」(日本陸連スタッフ)
そんな中、東京五輪後のサニブラウンの争奪戦も始まっている。将来的にサニブラウンを「プロ野球に転向させる」という情報だ。
「プロ野球には、“暁の超特急”の異名を持つ吉岡隆徳氏の指導を受け、東京、メキシコ五輪の100メートル走に出場した飯島秀雄氏が“走塁のスペシャリスト”としてロッテオリオンズ(現千葉ロッテ)に入団。話題をさらった前例があるからです」(大手広告代理店幹部)
飯島がプレーしたのは1969年からの3シーズン。すべて代走での起用で、117試合に出場。通算盗塁数は23と期待通りの活躍とはいかなかったが、とりわけ話題を集めたのが’70年の巨人との日本シリーズ。3試合で代走起用され、2得点に貢献した。
飯島は引退後、「簡単には走れるわけがなかった」と述懐しているが、見逃せないのは飯島を塁に置いた時の打者成績だ。通算チーム打率は4割2分4厘、出塁率も4割9分1厘と急上昇したのだ。これは相手投手が飯島の足に気をとられ、打者に集中できなかったからと言われるが、他にも観客動員が増加するなど、飯島の足は多方面においてチームに貢献。これをサニブラウンが球界入りしたと仮定してみると、経済効果も計り知れないと関係者はソロバンを弾くのである。
資金力があり、サニブラウンの出身地、北九州市も本拠地とするソフトバンクが調査しているとの情報もあるが、ここにきて、巨人も興味津々という。
「巨人の代表取締役社長兼編成本部長に就任した今村司氏は前日本テレビ放送網執行役員事業局長。抜擢の狙いは、巨人戦の人気を回復させ、日テレの視聴率アップに繋げることにあり、必ず何かを仕掛けてきます。他局は戦々恐々です」(在京テレビ局幹部)
いずれにしろ、陸上の日本選手権から目が離せない。