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旅客機を撃墜したのはテロリスト? 空軍機? それともUFO? イタビア航空870便の謎「2」

 いまから34年前の1980年6月27日の午後9時少し前(現地時間)、地中海を飛行していたイタビア航空の旅客機がウスティカ島近海でなんの前触れもなく墜落、乗客乗員のすべてが死亡するという、痛ましい惨事が発生した。また、墜落の記憶が生々しい同年8月2日には、イタビア機が出発したボローニャの中央駅が爆破されて多数の死傷者を出し、極右と極左のテロ集団がそれぞれ別個に犯行声明を出すなど、イタリア国内は騒然としていた。もちろん、当局は墜落原因の究明を急いだが、機体の残骸などが引き揚げられて詳細が明らかになるにつれ、大きな疑惑が浮上してきたのである。

 まず、墜落原因は爆発によって機体が空中分解したためで、機体の損傷状況などから機体後部のトイレ付近が爆発の中心と推定された。そのため、当然のようにテロリストによる破壊工作説が浮上した。とはいえ、墜落に際してはボローニャ中央駅事件のような犯行声明も無く、テロの目的や動機についても説得力のある仮説は提示されなかった。

 ただ、墜落当日は870便の出発が2時間近く遅れたため、テロ説を唱えた人々は、到着後を見計らってセットされていた時限爆弾が遅延により飛行中に爆発してしまい、予想外の事態に直面した実行犯は犯行声明を出さなかったとの仮設を提示した。また、先述のように機体の破壊状況も機内での爆発を示唆していた他、政治的にも都合が良かったためテロ説は非常に強く支持された。

 とはいえ、テロ説では墜落直前にイタビア機へ接近した飛行物体に関しては説明がつかず、レーダのノイズや誤作動と片付けるほかなかった。そして、記録の解析などからノイズや誤作動の可能性は退けられ、飛行物体は確かに存在していたこと、そしてイタビア機へ衝突していたことはほぼ間違いなくなったため、テロ説は説得力を失っていった。

 イタビア機の墜落当時、周辺空域では軍事演習など行われていなかったとされている。しかし、隣接空域ではイタビア機の墜落直前にリビア空軍機がイタリアの領空を侵犯しており、空中戦さながらの緊張が高まっていた事が明らかになった。そして、リビア空軍機の領空侵犯は、より重大かつ危険な軍事的な衝突へ発展し、撃墜を決意したNATO軍司令部は空対空ミサイルの発射を許可したとされている。

 つまり、イタビア機は国際紛争の巻き添えで撃墜された可能性があるのだ。

 やがて、軍関係者への調査も始められたのだが、核心を握る人物への調査は早々に行き詰まった。軍高官への査問が困難だった上、当事者の一部は既に死亡していたのである。それも、非常に疑わしい状況で、彼らは死んでいたのだ…。

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