森永卓郎の「経済“千夜一夜"物語」 ★米中貿易戦争の行方

社会 週刊実話 2018年09月12日 06時03分

 米国のトランプ政権は、8月23日から279品目、160億ドル規模の中国からの輸入品に追加関税を課す対中制裁の第2弾を発動した。これに対して中国も、米国の対中制裁がWTOのルールに違反するとして、WTOに提訴するとともに、米国製の自動車、鉄鋼、銅など、160億ドル相当の米国製品に報復関税を課すことを発表した。

 さらに米中の報復合戦は、すでに第3弾に移っており、米国は2000億ドル規模の中国製品に制裁関税をかけるための国内手続きを9月にも完了する。中国も、それに対する報復関税を準備している。

 多くのマスメディアは、米中の貿易戦争の激化が、世界経済に深刻な影響を与えることを懸念している。しかし、私は第3弾の制裁発動前に、米中の妥協が成立する可能性が、十分あると考えている。その理由は二つある。

 まず、一つめの理由は、制裁関税・報復関税の規模だ。7月の第1弾は、340億ドル規模ということで、米中が同額だった。今回の第2弾も、160億ドル規模で同額だ。ところが、第三弾の関税は、米国が中国製品に課すのが2000億ドル規模であるのに対して、中国が米国製品に課すのは600億ドル規模に過ぎない。なぜ、そんなに小さいのかというと、米国の中国製品輸入と比べて、中国の米国製品輸入が圧倒的に小さいため、中国は関税を課すネタがもうないのだ。もはや中国は追い詰められたと言ってよい。

 二つめの理由は、米国が制裁を課す中国製品の品目だ。第一弾は、自動車、航空宇宙、原子炉、ロボットなど、米国の国内産業が作っている商品で、まさに米国の製造業を復権させるというトランプ政策そのものだった。今回の第2弾は、半導体関連、鉄道車両、化学製品など、中国以外の国からいくらでも調達できる商品だ。

 ところが、第3弾は、家具、食料品、革製品など、中国以外の国から調達すると、割高になる商品。もし第3弾を発動すると、米国の消費者物価が上昇して、米国経済に大きな影響が出てしまう。つまり、米中双方に、貿易戦争は、第2弾までで止めたいという強い動機があるのだ。

 トランプ大統領のビジネススタイルは、「交渉と取引」だが、その実態は恫喝と強要だ。今回もそれが奏功する可能性が高いのではないか。

 トランプ大統領は、頭が悪いのではない。性格が悪いだけだ。実は、それは中国も同じだ。今回のトランプ大統領の要求は、中国に知的財産権を守れということ。これは何でもコピーして、輸出までしてしまうパクリの問題だけではない。中国は、国内に進出する外資系企業に技術を吐き出させ、それを国内他社に流出させるという知財侵害をずっとやってきているのだ。その被害は、日本も受けている。

 例えば、東北新幹線E2系車両の技術を中国に輸出すると、その技術を盗み、モーターの出力を上げて、世界最速の和諧号を作って、国際特許を申請した。さらに、新幹線輸出まで始めている。もちろん、それは契約違反なのだが、世界最速は独自開発だと中国は開き直っている。

 トランプという毒をもってしないと、この中国の態度は改まらないのかもしれない。

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