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【話題の1冊】 著者インタビュー 志駕晃 スマホを落としただけなのに囚われの殺人鬼 宝島社 650円(本体価格)

★自分が書きたいものでなく読者が読みたいものを書く

 『このミステリーがすごい!』大賞の“隠し玉”として異例の大ヒットとなった前作の続編になりますね。北川景子さん主演で映画化もされましたが、当初から手応えはありましたか?

 志駕 誰にでも起こり得るスマホを落とすというリアリティー、SNSなどのなりすましを題材としたことで、現代人が漠然と感じているネットのセキュリティーに対する不安を突くことができたので、ある程度の手応えはありました。しかし、まさか初めて世に出た小説が、50万部を超えるベストセラーになって、映画も大ヒットするとは正直、思っていませんでした。また、幸いなことに韓国と台湾で翻訳され、韓国では映像化も決定したので、今後の夢としては、アメリカや中国で『スマホを落としただけなのに』が広まったらいいなと思っています。

志駕さんはラジオ番組の元ディレクターで、現在は会社員として作家業を兼務しているとか。そもそも小説を書こうとしたきっかけはなんですか?

志駕 とにかく物を作っていないとダメな人間で、子どもの頃から自発的に小説、漫画、アニメなどを作っていました。ニッポン放送に就職してからは、ラジオ番組やラジオドラマも作ったんですが、管理職になり、制作現場から離れてしまったので、久しぶりに小説を書いてみました。実は商業誌で漫画デビューをしたこともあるんですが、トッププロとは絵のレベルが段違いでしたね(笑)。その点、小説は文字だけなので、なんとかなると思っていましたが、正直、長編小説は書いたことがなかったので、ちょっと苦労しました。でも、ラジオディレクターの時の経験を思い出し、自分(作り手)が書きたいものではなく、読者(受け手)が読みたいものを書けばいいことに気が付いてからは、執筆がスムーズになりました。

本作は仮想通貨流出事件やハッカー同士の対決が、目まぐるしくスピーディーに展開します。どんなところから着想を得ているのでしょうか?

志駕 現実のちょっと先に起こりそうなことを、小説に落とし込むことを目指しています。仮想通貨の流出とホワイトハッカーの登場は現実に起こっていたので、小説が現実に遅れてはいけないと必死に勉強しました。日々起きている事件を、どうすれば小説として成立させられるかを考えています。仮想通貨事件を巡るハッカー同士の戦いは、新聞やネットの記事をもとに、最後は自衛隊のサイバー隊にいたという専門家に直接連絡をとって、疑問点に答えて貰ったんですよ。
(聞き手/程原ケン)

志駕晃(しが あきら)
1963年生まれ。明治大学商学部卒業後、ニッポン放送入社。朗読劇『スマホを落としただけなのに』が2019年1〜2月、銀座・博品館劇場で開催決定。また、オーディオブック化もされている。

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