すべての発端は、昨年7月に『報ステ』のチーフプロデューサー(CP)に昇格した40代局員のセクハラスキャンダル。結果次第では、全スポンサーがあわや撤退という事態になっていたかもしれないのだ。
「今年の5月のことです。同番組のフィールドキャスターだったMアナウンサーを個人的に食事に誘ったばかりか、帰りのタクシーに同乗し、自宅マンションのエントランスを通り抜けてエレベーターにまで押しかけたんです。そこで嫌がる彼女に無理やり、キスをしたんです。その後も、ラインなどで執拗に口説いていたそうです」(テレビ事情通)
驚くのは、この先の話だ。実はこのCPからセクハラを受けていたのはMアナだけではなかったという。他にも被害者女性は数多、存在したというのだ。
「なんと10人以上の女性からテレ朝内のコンプライアンス統括室に『CPから容認できないセクハラを受けた』との告発があったんです。ただ、当初は見て見ぬフリをしていたそうです」(テレ朝関係者)
コンプライアンス室が手をこまねき、人事部と連動して対応できなかった理由…。それは同社の早河洋代表取締役会長兼CEOに対する忖度説という。
「今回、罪を犯したCPは早河会長の勅命で、『報ステ』担当になった子飼い中の子飼い。だから、コンプラも人事も遠慮し、当初は穏便に済ませようとしていた。もしかしたら、なかったことになっていたかもしれません」(放送作家)
結果的にテレ朝内で事が動き出したのは、一部週刊誌などのメディアが動き始めたからだという。
「7月上旬になって、ようやくコンプライアンス統括室を中心に調査が始まり、調査の結果は完全なクロ。8月30日には、異例とも言うべき早さで処分が下された。CPを解任されたのです」(テレビ関係者)
さらに、その後の調査で驚くべき事実が浮上。なんと、『NEWS23』(TBS系)のキャスターを務める元テレ朝の小川彩佳や宇賀なつみ、退社を発表している竹内由恵アナも、セクハラを受けていた可能性があるというのだ。
「こうした事実が露見する前に、CPは左遷されたわけです。そのすべては『報ステ』を守るため。万が一、処分する前に週刊誌でセクハラを報じられればスポンサーは撤退する。スポットCMの売り上げだけで年間ン十億円にもなります。さらには、女性視聴者が逃げてしまう。『報ステ』は、視聴率競争の要ですからね」(前出・テレビ事情通)
信頼を失った『報ステ』。回復の道は険しい。