「被害に遭ったのは、静岡県内の炭素製品製造会社研究所に勤める40代の女性。昨年12月5日、退社時に靴を内履きから外履きへ履き替え退社したところ、左足指先に違和感を覚え病院へ駆け込んだ。診断の結果、靴に塗り込まれた毒物の薬品『フッ化水素酸』により足先が浸食されていることがわかったのです」(社会部記者)
結果、足指5本を切断する重傷を負った女性が被害届を提出。3月28日、静岡県警と御殿場署は、女性と同じ研究所に勤務する山梨県山中湖村の深澤辰次郎容疑者(40)を、殺人未遂の疑いで逮捕したのだった。
『フッ化水素酸』は、'82年に東京都八王子の歯科医院で誤って幼児の口に塗布し死亡した件や、'09年にも千葉県で起きた殺人事件で遺体を溶かす目的で使用された例もある毒物だ。法令でも鍵付の保管庫での保存を義務付けられている。
「深澤容疑者は容疑を否認していますが、彼が『フッ化水素酸』の管理を担当し、事件当時に通常ではない不自然な減り方をしていたことも確認しています。また、昨年10月も今回と同様に、女性が退社時にブーツに履き替え退社しようとした際、足先に違和感を覚え病院へ行っており、足先がただれて1カ月の重傷を負っている。そのときは右足、今度は左足で、同一犯だとすれば非常に悪質です」(捜査関係者)
出身地である山中湖村の小中学校を卒業し「小さい頃は勉強も運動も優秀で通っていた」(近隣住民)という深澤容疑者だが、就職後の生活は地味そのものだったという。
「現在も生まれ育った町で4畳半一間にバストイレ付きのプレハブにひっそりと暮らし、そこから会社へ車で通っていて、職場でも自分の仕事を黙々とこなす目立たない社員だったとのことです。一方、女性は控えめな美人タイプで、2度3度と交際を申し込まれ、はっきりと断った揚げ句、悲劇に襲われたのです」(前出・社会部記者)
全容解明が待たれる。