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お笑い芸人 豪快伝説 其の三十二『アンジャッシュ』

 お笑い芸人。コメディアン。エンターテイナー。そんな彼たちがかつて刻んだ偉大なる伝説、爆笑列伝を紹介していく連載の32回目。サーティートゥバウトは、アンジャッシュだ。

 ますだおかだ・岡田圭右が「わお〜っ!」なら、アンジャッシュ・児嶋一哉は「おいっ!」。いずれもいわゆる、すべり芸。仲間芸人は彼らを、こう呼ぶ。「ポンコツ」。

 “スタイリッシュなすれ違いコント師”ともてはやされたため、アンジャッシュ「じゃないほう芸人」の児嶋も、美化されていた。ところが一昨年あたりから、10年来の仲間であるバナナマン・設楽統が児嶋の生態を次々と暴露。それが、いじられる突破口となった。

 鶏肉、豚肉、牛肉の区別がつかない。キャベツ、レタスは、時間をかけなければわからない。きのこ、まいたけ、えのきに至っては、考えてもわからない。京王電車の各駅列車の車中で、駅弁を食べた。入浴時、浴槽のなかで放尿した。

 妻とはセックスレス。その妻が、初体験の相手。以降15年交際した末のゴールインとなったため、児嶋が唯一知っている女性ということになる。

 今年に入ってからは、児嶋が興味を示したものは、流行がすたっていくというジンクスを作った。挨拶の際、♪コ〜ジッマ♪と家電量販店・コジマのCM音源をパクると、コジマがビックカメラに買収された。ついに大企業まで揺るがせたのだ。

 そんな児嶋と反して、非の打ちどころがないのは渡部健。食べ歩き、高校野球、恋愛心理学、夜景、魚、草野球など多彩な趣味。おしゃれな演出をサラリとできる。おぎやはぎ・矢作兼いわく、「いい女を抱いてる」らしい。ちなみに、およそ6年前には、元モデルで女優の伊藤裕子と交際していた。

 ポンコツとマルチ。その凸凹が逆に、アンジャッシュを息の長いテレビタレントに仕立てあげたのかもしれない。(伊藤由華)

<訂正>文中名前の表記に誤りがありました、修正してお詫びいたします。

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