JR西日本の大阪駅発の最終電車は、神戸線西明石行きが12時28分、京都線高槻行きが12時31分となる。並行する私鉄の、阪急電鉄や阪神電車の終電後をカバーするだけでなく、新大阪駅に到着する新幹線の最終電車との接続も考慮しての編成となっており、これが都市生活の中に定着していた。
JR西日本は、実施の目的に「保安のための作業時間確保」と、「最終電車の利用者減」を挙げている。その背景には、政府が進める「働き方改革」があり、終電発車時刻の見直しは時代の流れなのかもしれない。
とはいえ、各方面に与える影響は少なくない。特に大きな影響が予想されるのは、居酒屋や水商売関係だ。北新地で営業している某クラブのママは語る。
「(JRの)終電が遅いから、遠くからのお客さんでも安心して気軽に飲んではる人が多いんですね。これが早く終わったら、そらみんな早く帰りますよ。昔みたいにタクシー代がバンバン使える時代やないしね」
滋賀の雄琴、兵庫の福原といった、ソープ街への影響も懸念される。
「何かしらの悪影響が出るのは間違いない。お客さんも早く帰るし、お茶引いてる女の子も電車のあるうちに帰らす、いうことになるやろね」(福原のソープ店関係者)
終電繰り上げの影響は近畿地方のみならず、東京や福岡にも及ぶ可能性がある。前述のように、新幹線の新大阪行き最終便が、近郊路線の終電に接続しているからだ。
「『新幹線の終電に間に合えば、その夜の内に家に帰れる』というわけで、銀座や福岡・中洲で21時近くまで飲んでいられた関西人も、これからはそうはいかなくなる。夜型観光を楽しむインバウンドや、大阪万博にも影響がありそうです」(社会部記者)
終電時間繰り上げは、慎重に決めてほしいものだ。