市井候補が第2期メンバーとして「モー娘」に加入したのは1998年のこと。同期には保田圭と矢口真里がおり、同年末にはグループとしてレコード大賞最優秀新人賞受賞や『NHK紅白歌合戦』初出場を達成した。翌年には、保田・後藤真希とともに、内部ユニット『プッチモニ』を結成。デビュー曲『ちょこっとLOVE』は101万枚を売り上げるミリオンヒットを記録し、「モー娘」の黄金期を支えたメンバーとして知られている。
6月26日には国会内で会見を開き、4人の子どもを持つ親として「今の日本が子育て世代に温かいのか疑問に思います」と出馬の理由を明かした市井候補。一方、会見内で具体的な数値目標や政策実現への方法論は語られず、「子育てをしやすくしたい」「消費税増税は許せない」の一辺倒。タレント議員特有の“不勉強”ぶりをにじませる会見となってしまった。
また、今後のタレント活動についても、「一度決めた以上は議員になるための活動にしばらくは専念したい」としながら、「それから先のことに関しては、改めて党や家族と相談して決めたいと思います」と引退を明言しなかった市井候補。これにはネット上でも「中途半端」だとする声が相次いでおり、有権者の“タレント候補”への拒否反応があらためて浮き彫りとなった。
「前回の参院選では、元『SPEED』の今井絵理子議員が同じような評価を受けていました。当選後の開票特番にて、出身地である沖縄の基地問題について『“これから”きっちり向き合っていきたい』とコメントし、司会の池上彰を唖然とさせたのはあまりにも有名です。2010年の参院選では、当時初出馬だった三原じゅん子議員が『女優は(立候補に伴って)引退した』と発言。しかし半年後には『3年B組金八先生』の最終回SPに出演し、有権者をズッコケさせています」(政治ライター)
他方で、かつての扇千景や現在の山本太郎議員など、タレント出身ながら熱心な政治活動を展開している議員がいることも事実。批判の大きさは他の比ではないが、市井候補には「モー娘」全盛期のような万人に愛される国会議員になるべくガンバってほしいものだ。