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伝統の一戦は“二軍投手”で! 金本監督は権限縮小へ

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金本知憲

 他に人材がいないということか? それとも、「Aクラス死守」のための主力温存策か…。
 二軍調整中の藤浪晋太郎(24)に「巨人3連戦での先発説」が浮上してきた。実現すれば、7月26日以来の一軍マウンドとなるが、復調の兆しが見えての昇格ではなさそうだ。8月15日のソフトバンク戦(二軍)に先発したが、5回を投げて被安打7、失点5。うち4点が自責点だから、お粗末としか言いようがない。一軍最後の7月26日にしても、1イニング持たず、降板している。それでも、金本知憲監督(50)は藤浪を伝統の一戦で先発させるという。

「計算の立つ先発投手はメッセンジャーと岩貞だけ。ベテランの能見は中継ぎに配置換えしてしまい、また先発に戻すのは申し訳ないし…。まあ、そういうこと」(関係者)
 言葉をにごしたが、「他にいない」「主力先発陣の登板間隔を縮めて、故障されたら一大事」と判断されたようだ。
 それだけではない。巨人3連戦に先発させる“二軍投手”がもう一人いるという。7月のトレード期日直前にソフトバンクから緊急獲得した左腕・飯田優也(27)も先発させるそうだ。巨人サイドからすれば、絶不調の藤浪、一軍経験の乏しい飯田をぶつけられるのだから、カチンと来ているだろう。

「いや、飯田は結果を残すかもしれませんよ。18日の二軍戦で5回を投げて無失点。そのピッチングを見て、矢野二軍監督が一軍昇格を言い出したんです。矢野二軍監督の推薦となれば、金本監督も自信を持ってマウンドに送り出すはず」(20日時点/前出・同)
 ソフトバンク時代の飯田は主に中継ぎ。ソフトバンクの巨大戦力に埋もれ、チャンスをもらえなかったので、今回のトレードに強い思いもあるようだ。飯田が「戦力」になれば有り難い限りだが、こんな指摘もある。
「飯田が勝って、藤浪が負けたらどうなるか。そのときは本当に、精神的に落ち込んでしまうでしょう」(プロ野球解説者)

 また、巨人は初対戦の投手に戸惑う傾向もある。球界はデータ収集と分析が日々、進化しているが、実際に自分の目で確かめてみなければ分からないものも多い。飯田は右打者の膝元に落ちるスライダーが得意だが、その軌道は独特で、巨人二軍はイースタンリーグだから、直接対戦した選手もいないのではないだろうか。
「阪神は連戦に次ぐ連戦。藤浪、飯田をテストしていかなければならないほど苦しい。先発だけでなく、救援投手も頭数が少ないんです」(在阪記者)
 飯田のトレードはそれを補うものだったが、故障や不振だけが投手不足の原因ではない。金本監督は就任して3度のドラフト会議に臨んでいるが、1位指名の入札は全て野手だった。「即戦力投手の補強」を周囲が進めても、「どうしても!」と頭を下げ、野手を指名してきた。昨秋ドラフトでは馬場皐輔(仙台大)を1位指名したが、清宮幸太郎の抽選に外れたためだった。2度目の入札でも高校生野手の安田尚憲(現ロッテ)の指名を希望し、3度目でやっと投手の指名となった。当然、その間にトップクラスの投手は他球団にさらわれてしまい、馬場は「即戦力というより、将来性」と評価されていた。

 今日の投手不足の一因は、金本監督にもあるというわけだ。
「Aクラスを死守し、クライマックスシリーズ進出が叶ったとしても、金本監督は今まで通りとはいかないでしょう。発言力、ドラフト指名の決定権は剥奪される」(前出・同)
 ソフトバンクでくすぶっていた飯田を選択したのは、阪神の編成スタッフだ。
 藤浪にとって、巨人戦の先発が今季のラストチャンスとなる。巨人の「二軍投手を2人もぶつけられた」という怒りが藤浪にぶつけられなければいいのだが…。(スポーツライター・飯山満)

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