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部員の不祥事でも出場辞退しなかった作新学院 怒りの会社員が甲子園球場に脅迫電話

 作新学院(栃木県宇都宮市)の野球部員が不祥事を起こしながらも、開催中の「第94回全国高校野球選手権大会」の出場を辞退せず、それを日本高野連が容認したことで、思わぬ事件に発展した。

 兵庫県警甲子園署は8月21日、甲子園球場(兵庫県西宮市)に脅迫電話をかけたとして、威力業務妨害の疑いで福岡県水巻町の会社員・園田健一郎容疑者(40)を逮捕した。

 同署によると、園田容疑者は「高野連が、(野球部員が)強盗事件を起こした高校(作新学院)を出場停止にせず納得がいかなかった」と話している。

 逮捕容疑は19日午前9時20分頃、甲子園球場に電話をかけて「アルプスに血が流れるぞ」と脅し、球場の業務を妨害した疑い。当時、甲子園球場では当の作新学院と仙台育英(宮城)の試合が行われていた。

 むろん、作新学院が出場を辞退しなかったことについては、賛否両論あろう。

 問題の事件は10日午前6時50分頃に起きた。甲子園の登録メンバーに入っていない同校の野球部員の男子生徒(2年生=17)が、宇都宮市の雑木林で少女(16)を襲った。宇都宮中央署は17日、少女のヒザなどに軽傷を負わせた上、現金数千円を奪ったとして、強姦(ごうかん)致傷及び強盗の疑いで、この生徒を逮捕した。生徒はわいせつ目的で少女を襲ったことは認めたが、強姦目的と現金を奪った点を否認している。

 甲子園開催中の不祥事とあって、衝撃が大きかったが、同校は出場を取りやめず、高野連も「過去の事例から、部活動外の個人の不祥事で出場を差し止めたことはない」として容認。同校は19日の3回戦で仙台育英に3-2で勝利し、ベスト8に進出したが、21日の準々決勝で東海大甲府(山梨)に4-8で敗れ、甲子園を去った。

 21日、高野連は同校が岐阜国体(9月30日〜10月3日)への出場を辞退したことを発表した。同校・長谷川勝比古校長は「国体出場チームに選ばれたことは大変名誉なことでしたが、この度の野球部員による不祥事発生に絡み、この後、日本高野連による正式なご審議、ご判断を待つ身であり、これ以上のご迷惑を掛けることはできないと考え、辞退をさせていただいた次第です」とコメントした。

 なぜ、甲子園はOKで、国体はNGなのか、同校の判断には疑問が残るところ。

 高野連の「部活動外の個人の不祥事で出場を差し止めたことはない」との考えは一定の理解はできるし、事件に関与していない部員まで連帯責任を負う必要はないだろう。ただ、脅迫電話をかけた犯人のように、その判断に違和感をもつ者もいるということを、高野連は十分認識すべきだ。
(落合一郎)

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