「代表23人中、17人が初めてのW杯となります。うち6人は国際Aマッチの経験が5試合以下。FWの岩渕など3大会連続出場となる選手もいますが…」(スポーツ紙記者)
まさに“賭け”だ。さらに関係者やファンを驚かせたのは、昨季まで3年連続国内リーグ得点王だった田中美南を外したこと。
「代表メンバーが発表された時点で、田中はすでに15得点を決めるなど絶好調でした」(同・記者)
賭けはそれだけではない。昨春、右膝の前十字靭帯と内側半月板を損傷した阪口夢穂も選ばれた。高倉監督は表情一つ変えずに、「ドクターが間に合うと言っていたから」と言い放った。近年の男子代表監督を含めて振り返っても、ここまで“攻めの編成”に徹した指揮官はいなかった。
「高倉監督の度胸ですよ。このチーム編成が成功すれば、スゴイ爆発力を見せるはずですが、失敗したら、一気に総崩れとなるでしょう。代表監督は敗戦を恐れ、経験豊富なベテランを頼るなど、無難なメンバー選出をします。高倉監督は覚悟を決めたのでしょう」(同)
なでしこが世界の頂点に立ったのは、2011年W杯大会だった。以後、主力選手の高齢化とともに失速し、今大会で“結果”を残さなければ、日本が招致を目指す女子W杯にも大打撃となる。
「高倉監督は若い選手を買っています。これまで、10代の代表チームで臆することなく、世界と戦ってきました。代表監督に就いてからの約4年間、高倉監督はメンバーを固定せず、いろいろとテストしてきました」(関係者)
賭けのようなメンバー選出、若手への高評価。そういえば、高倉監督は「大」のつく酒豪でも知られている。まさに、今回のW杯は「飲む・打つ・買う」であり、オンナの大勝負だ。
度胸満点、覚悟を決めた高倉監督が大波乱を巻き起こすかもしれない。