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北朝鮮飢餓深刻 その原因はアレ(ミサイル打ちあげすぎ!)

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 またしても北朝鮮が極度の食糧難になっているらしい。北朝鮮人民がもっとも飢えるのは、春の季節であるという。秋に蓄えた食料が春に尽きるからだ。

 北朝鮮の食糧難は1990年代はじめから始まっており、94年~98年にかけては、30万人~300万人が餓死したという。元北朝鮮工作員安明進氏によると、このとき当時の最高責任者である金正日は
「反乱が起きたら全部殺せ。餓死者は死なせておけばいい。私には2千百万全部の朝鮮人民が必要なのではなく、百万の党員がいればいい」
と語ったという。

 これが北朝鮮や中国、ロシアなど権威主義体制(権威、威光によって、真理であると断定する立場。権威に対して盲目的に服従する態度)の共通点だ。そしてこの3か国が日本の隣国であることを忘れてはならない。

 98年のもっとも飢餓が激しかったとき、金日成は弾道ミサイル「テポドン」を発射しているが、テポドンの研究開発や発射の費用で、北朝鮮の全人民1年分のトウモロコシが買えたと言うが、これは現代も変わらない。

 今盛んに発射しているミサイル代で、人民を飢えから救うことができるのだ。

 また、北朝鮮の農業政策は「思い付き」としか思えないようなものばかりで、90年代の大飢饉のときは「農地が少ないなら山の木を切って農地にせよ」と、禿山にして洪水が頻発させたり、密植といって隙間なく作物を植え、大量の化学肥料を投入して土壌が消耗してしまったりと、不作の上にさらに不作になるような指導を行っていた。これらはいまでもあまり変わっていないようだ。

 さらに北朝鮮の農業は、社会主義の集団農法をとっており、農民たちは自由に作物を植えたり売ったりできない。農民たちは創意工夫すらできないのだ。

 90年代の大飢饉で、食料の配給制が破綻すると、北朝鮮人民は違法である闇市場をやるようになった。闇市場は資本主義経済である。闇市場は全国的に広がり2003年に合法化された。政府が抑えきれなくなったのだ。

 だがそのおかげで配給がないのに人民はなんとか飢えから逃れることができた。それどころか2010年代くらいには庶民でも3食白米を食べることができるようになった。自由主義経済なら、カネも食糧も回るのだ。

 ところがコロナ禍で、鎖国して食糧輸入を停止した。人々の移動も禁止した。海水や魚がコロナで汚染されているとでも思ったのか、金正恩は漁業まで禁止した。

 さらに金正恩は市場を資本主義のものとして、統制を強めている。

 西側諸国からの食糧支援は断っている。昨年になってようやく中国からの食糧輸入を再開したが、統制がきつく市場にまで出回らない。これでは人民が飢えるのは当たり前だろう。

 北朝鮮の飢饉を起こしたのは、コロナ禍に対する政策の鎖国政策。人民が飢えていても無視してのミサイル開発。そして何より自由経済を否定した権威主義だろう。

 無能な政治家が絶対的権力を振り回すことほど恐ろしいものはない。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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