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西武・松坂臨時コーチの招へい、選手以上に本人にメリット? 球界外での活動にも期待か

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松坂大輔氏

 「学ぶ」のは選手ではなく、臨時コーチの方かもしれない。埼玉西武OB・松坂大輔氏のことだ。

 埼玉西武ライオンズが今季のチームスローガンを発表した(1月29日)。走魂(そうこん)。今季から指揮を執る松井稼頭央監督は、

 「走ることが野球の原点だと考えており、積極的に次の塁を狙う姿勢や、必死にボールを追い続ける意識をチーム内に浸透させたい思いもあって」

 と、スローガンに込めた思いを語っていた。

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 西武黄金期と言えば、やはり「機動力」が思い出される。

 現役時代には盗塁王のタイトルも獲得した松井監督による“原点回帰”とも言えるが、黄金期には好投手も多かった。松坂氏が臨時コーチとして招聘されたのは「投手力のレベルアップ」のためだろうか。

 「技術的なことよりも『精神面』だと思います。現役選手のほとんどが、松坂氏が甲子園大会やメジャーリーグで活躍していた頃を見ています。憧れのOBに声を掛けてもらうだけでも励みになりますから」(プロ野球解説者)

 西武の昨季のチーム防御率は2・75、リーグトップである。高橋光成、エンス、與座海人と2ケタ勝利数を挙げた投手が3人いて、今季からリーグ初の20セーブ&20ホールドを達成(2021年)したリリーバーの平良海馬の先発転向も決まっている。

 隅田知一郎、佐藤隼輔など期待の若手もいるが、彼らは左投手だ。松坂氏の出る幕はなさそうだが…。

 「松坂氏を西武に引き留めておく目的もあったのでは?」

 そんな声も聞かれた。

 引退して2年が経つ。プロ野球解説者としても活動しているが、「指導者としての現場復帰」には、どちらかと言えば、消極的な言動を見せてきた。

 しかし、昨春の巨人キャンプでのことだ(22年2月3日)。同取材で巨人ブルペンを覗くと、原辰徳監督から近づいて行き、「スライダーを教えてやってくれ」と“臨時コーチ”を依頼された。

 松坂氏は快諾し、戸郷翔征にスライダーを伝授した。

 時間にして、10分程度のアドバイスだった。しかし、同年の戸郷は自信を持ってスライダーを投げ込んでいた。これまでスライダー習得のために取り組んできたものがあって、松坂氏のアドバイスは“補足的な微調整”にすぎないが、同じ言葉でも、話す人が変わるだけで“伝わること”もあるのだろう。

 「松井監督も松坂氏のアドバイスに期待している部分もあると思います。でも、勉強するのは松坂氏の方でしょう。近い将来、松坂氏もプロ野球界全体のために働く時が来ます」(球界関係者)
 松坂氏はそう遠くない未来、ONのように野球界を代表して、政財界でも発言しなければならない時が来るだろう。

 その時のために、臨時コーチとは言え、現役選手たちの気持ち、考え方も学んでほしいというわけだ。本当に「技術的な指導」で招かれたOBもいるが、こちらは通常のコーチたちと選手指導の方向性を確認するなどしなければならない。今春キャンプは松坂氏や各球団の臨時コーチにも注目が集まりそうだ。(スポーツライター・飯山満)

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