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宮本亞門「多くの人が演劇の世界から去った」コロナ禍の演劇の意義を改めて自問、今後にかける思いを明かす

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(前列左より)ニッセイ文化振興財団・松山保臣理事長、宮本亞門氏、栗山民也、粟國淳(後列左より) 高部尚子、一色隆司、山田うん

 演出家の宮本亞門が22日、東京・日比谷の日生劇場で行われた「開場60周年記念・主催公演制作発表記者会見」に出席した。

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 日生劇場では、2023年に開場60周年を迎えることから、記念公演として「NISSAY OPERA 2023」と題し、日本初演となる『メデア』、53年ぶりのヴェルディ作品『マクベス』、東京二期会との共催公演『午後の曳航』の3作品を上演する。また、「日生劇場ファミリーフェスティヴァル 2023」と題し、初の舞台化となる音楽劇『精霊の守り人』と人形劇『せかいいちのねこ』、改訂演出・振付で贈る谷桃子バレエ団『くるみ割り人形』も上演する。

 壇上には、公演に関わる栗山民也(オペラ『メデア』演出)、一色隆司(NHKエンタープライズ/音楽劇『精霊の守り人』演出)、山田うん(人形劇『せかいいちのねこ』演出・振付・脚本)、高部尚子(谷桃子バレエ団芸術監督・バレエ『くるみ割り人形』改訂演出・振付)、粟國淳(ニッセイ文化振興財団[日生劇場]芸術参与・オペラ『マクベス』演出)、松山保臣(ニッセイ文化振興財団 日生劇場理事長)も登壇した。

 宮本はドイツ語版舞台として日本で初上演されるオペラ『午後の曳航』(2023年11月23日初演)の演出を担当する。意気込みを問われると、「(ここ最近は)コロナ禍でなぜ舞台をやるのか、何を大切にして行くのか、徹底的に打ちのめされ、考えさせられた時期でした」と述べ、「戦争も含め舞台というのは、本当にやる意味があるのかないのかを深く考えていた時期。実際、多くの人が(コロナ禍に)演劇の世界から去っています。それでも舞台を続ける意味はあると思っているので、スタッフとともに最高の作品を作っていきたい」と本作の演出に闘志を燃やす。

 三島の『午後の曳航』を演出することについても、「僕は三島由紀夫が大好き」と述べ、「三島さんの壮絶な生き方、醜いもの、美しいものも出して行く生き方には勇気をもらえます」と三島ファンであるがゆえにやりがいを感じる作品であるとのこと。

 一方、『メデア』を演出する栗山も、今回の舞台演出には強い思いを持って挑むとのこと。「ウクライナの劇場にミサイルが打ち込まれました。千人余りの市民が避難していたその場所にです。その頃、私は新宿の劇場で初日を迎えていたのですが、頭の中はウクライナの劇場のことでいっぱいでした」と述べるなど、ウクライナ問題が自身に強い影響を与えていると言う。その上で「『メデア』は紀元前の作品ですが、現代も息をしている作品」と述べ、同作の演出に宮本同様、意欲を燃やしていた。

(取材・文:名鹿祥史)

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