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イングランドで発掘調査中のローマ人の墓 遺体の10%が首を落とされていた

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画像はイメージです

 現在イギリスではイングランドを南北に結ぶ高速鉄道「HS2(High Speed Two)」の建設工事が行われている。2020年9月に工事を開始し、開業は2026年を予定。車両は日本の日立製作所とフランスの重電大手アルストム社が共同で受注しており、全長200メートルの1編成8両の新型車両54編成、欧州最速の最高時速360キロを誇る。

 そんなHS2が通過するイングランド中部のバッキンガムシャー州エールズベリー近郊フリート・マーストンで、工事の最中に古代ローマの町の遺跡が出土。現在発掘調査が行われている。

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 調査に当たったCOPAコンソーシアム(Cotswold Archaeology, Oxford Archaeology and Pre-Construct Archaeology)の考古学者らによれば、この町からは1200枚以上の硬貨や市場で使われた鉛の分銅、その他多くの家庭で使われていた雑貨や設備などが出土しており、かつてこの地域が居住、ビジネス、宗教等でにぎわった交易拠点の町であったことがうかがえるという。

 この町の人々は亡くなると、バッキンガムシャー州に存在する最大のローマ式墓地に埋葬されていた。墓に納められていたのは約425人で、大半が土葬で火葬はわずか、そして10%が「首を落とされた状態」で埋葬されていたことが分かったのだ。これらの遺体は首が切り離されている以外にも、頭部が脚の間や横にわざと置かれているものも多数あったという。

 何故遺体の首が落とされていたのか。調査の結果、殺害、処刑された遺体というわけではなく、死後に頭部が切り離されていたことが判明した。ローマ人は犯罪者や変質者が亡くなると、このように頭部を切り落として埋葬していたそうで、キリスト教以前の文化に由来する埋葬の習慣だったとされている。頭部を外すことで来世で悪事を働かないようにするためだろう、と研究チームは推測している。

 また、この地域が交易の中心地であったため、この埋葬の習慣は外部の文化からもたらされた可能性もあるという。遺体の頭部を切り離す習慣は欧州に古くから伝わる吸血鬼の退治方法の一つでもあることから、ローマ人たちの習慣が変化していって伝説と結びついたのではないかと考えられている。

 考古学者たちは今後はこれらの出土した遺骨を丁重に扱いつつ、遺跡と墓地をさらに調査する予定とのことだ。

山口敏太郎
作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。
YouTubeにてオカルト番組「アトラスラジオ」放送中

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Vampire Graveyard with 40 Headless Roman Skeletons Discovered in England(mysterious universe)より
https://mysteriousuniverse.org/2022/02/vampire-graveyard-with-40-headless-roman-skeletons-discovered-in-england/

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