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ヤクルト・高津監督がブルペンで投手を叱咤! 高橋の日シリ投球にも好影響? 春季キャンプで踏襲したノムさんの教えとは

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 「羨ましい」――。日本シリーズ第2戦、球場内でお会いしたプロ野球解説者がそう口にした。この日は東京ヤクルトの高橋奎二が完封勝利を収めた。

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 敗れたオリックスも、先発・宮城大弥が8回途中まで投げ、失点1。両左腕投手が見応えのある投手戦を演じていた。「羨ましい」と言っていたプロ野球解説者は、投手コーチの経験もある。完投能力も高い左の先発投手がいれば、ローテーションの編成、リリーフ投手のやり繰りに悩まされることもない。プロ野球解説者はそのことを羨んでいたのかなと思ったら、少し違った。

 「いやね、高橋はキャッチャーの構えたところにしっかりと投げ込んでいます。キャッチャーも、ラクだろうね。コントロールミスがないから、自身の出したサイン通りの配球ができています」

 9回を投げ切って、高橋の出した四球は僅か2個。これだけ、コントロールが良ければ、守っている野手も守りやすいだろう。野手のエラーは集中力が途切れる時に生じるものであり、その原因はつまるところ、投手の制球難だ。ストライクを要求して「ボールカウント」になれば、その分、守っている時間も長くなり、余計なことまで考え出してしまうからだ。

 そう言えば、今年の日本シリーズは野村克也氏の「ID野球」が取り上げられる機会も多い。高津臣吾監督がその教え子だからだが、このテンポの良い投手戦も「ID野球」が影響しているのかもしれない。

 対戦チームのクセ、バッテリーの配球をデータ化し、それを実戦に活かす。そんな野球だった。しかし、ID野球とは、“ドロ臭い一面”も秘めている。

 「野村氏は、ブルペン投球でも単に投げた球数を積み上げていく練習を嫌いました」(当時を知る関係者)

 野村氏は投手陣全員の前で、ブルペン捕手を叱り飛ばしたこともあった。ボールを淡々と捕るのではなく、なぜ、このコースにしっかり投げ込んで来いと構えないのか、と。

 「投手を直接叱るのではなく、彼らの前でブルペン捕手を叱り飛ばしたことで、練習にも緊張感が生まれました。投手たちはお世話になっているブルペン捕手に申し訳ないと思い、内角球なら、内角をしっかり狙って1球ずつ大切に投げるようになりました」(前出・同)

 それに“酷似”した場面を、ヤクルトキャンプで見せられた。ブルペン捕手が外角低めに構え、10球連続でそこへ投げ込む練習もされていた。6、7割が構えたところに行っても、高津監督、伊藤智仁、石井弘寿両投手コーチは許さなかった。また、コントロールを意識しすぎて、球速を落とそうとすると、叱っていた。

 練習でできないことが、試合でできるはずがない。こういうドロ臭い一面が、ID野球や高津イズムの裏側にあったのだ。

 高津監督は「第2戦を取れば、安心して帰れる」と試合前に語っていた。第3戦の舞台は東京ドームだ(セ・リーグ主催)。敗れて移動するよりも精神的にラクになるという意味だが、その裏には「中身の濃い練習をしてきた」の自負も含まれているのだろう。

 第2戦の試合時間は2時間56分、今季のペナントレースの1試合平均の「試合時間」が3時間11分(9回試合のみ)だから、15分も短かったことになる。テンポの良い試合は観戦も飽きさせない。久々にセ・リーグチームが日本一に? そんな期待も抱かせてくれた。(スポーツライター・飯山満)

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