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巨人・原監督が中川を守護神に昇格させたワケ “9回打ち切りルール”がもたらす他球団にはない好材料とは

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原辰徳監督

 9回打ち切り、延長ナシの特別ルールは、原巨人にとって追い風となりそうだ。

 去る3月22日、財界人の応援会合・燦々会に代わる「読売ジャイアンツ出陣式」が開催された。長嶋茂雄終身名誉監督も出席し、原辰徳監督や菅野智之投手ら巨人ナインにエールを送っていたが、関係者によれば、その長嶋氏の開幕ゲームの観戦も検討されているという。

 「新型コロナウイルス禍により、今季は延長戦ナシ。9回打ち切りになるということは、救援投手陣の総力戦も可能となります」(ベテラン記者)

 “救援投手陣の総力戦”とは、クローザーが不調だった場合、セットアッパーを緊急投入できるということだ。

 「クローザーが不調で走者を溜めてしまい、一打逆転なんて場面もあります。その時、首脳陣はクローザーのメンツに配慮し、交代させないのが一般的です。でも、内心では延長戦に突入した場合も念頭に入れ、セットアッパーをどのイニングで投入するかを考えています」(前出・同)

 イニングの途中で、クローザーを交代させることはほとんどない。皆無と言っていいだろう。「クローザーのメンツ」に配慮するからで、また、守っている野手たちも、そのクローザーを指して、「アイツで負けたのなら、仕方ない」と割り切っている。

 しかし、今季の巨人は少し違うようだ。

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 「中川皓太投手が正式にクローザーを務めることが決定しました。これまで中担ぎで頑張ってきて、それが評価されての『昇格』です」(プロ野球解説者)

 中川は第3期原政権で頭角を現したリリーバーでもある。昨季は37試合に登板し、防御率1・00。今季オープン戦でも計5イニングを投げて“防御率ゼロ”とバツグンの安定感を見せていたが、他球団のクローザーとはちょっとタイプが異なる。

 圧倒的なスピードボールもなければ、鋭角に落ちるフォークボールもない。他球団のクローザーは三振を狙えるが、中川は打ち損じを誘い、ゴロアウトを積み重ねていくタイプだ。

 過去にもそんなタイプのクローザーはいたが、こんな指摘も聞かれた。

 「菅野の東海大学時代の後輩にもあたります。菅野に『変化球に対する考え方』を改めさせられ、それがブレイクのきっかけになったと聞いています」(球界関係者)

 変化球は曲がり幅の大きさを競うのではなく、「打者の手元」で曲がるから効果的だと教えられたそうだ。「小さく、鋭く曲がった方が」とも教えられ、それが今日のピッチングスタイルを作ったわけだ。

 「菅野の後輩ということは、原監督の後輩にも当たります。『今日は良くなかった。だから』と、指揮官は言い切れます。クローザーに救援投手を送っても、メンツの問題にはならないし、チームの不協和音に発展することもありません」(前出・同)

 中川は二軍から一軍、敗戦処理から勝ちゲームでの起用、セットアッパー、そして、今季のクローザー抜てきと階段を上ってきた苦労人でもある。頑張ってきた経歴を知るファンは飛躍の一年にしてもらいたいと思っているはず。

 延長戦を意識しない投手交代は、指揮官の負担の軽減も減らす。今季の特別ルールは救援投手陣が豊富で、クローザーのメンツに配慮しなくて済む原巨人にとって、間違いなくプラス材料となる。他球団もそうだが、救援投手がペナントレースの明暗を分けそうだ。(スポーツライター・飯山満)

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