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OP戦大不振の日本ハム・清宮、なぜ栗山監督は二軍に落とさない? “英才教育”の裏にあるチーム10年来の課題とは

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栗山英樹監督

 3月26日のセ・パ同時開幕に向け、各球団がオープン戦を戦っている。楽天・田中将大、阪神・佐藤輝明といった選手が注目を集める一方、思うような結果が出ずに苦しんでいる選手もいる。その1人が日本ハムのプロ4年目・21歳の清宮幸太郎だ。

 2017年ドラフトで7球団による競合の末、日本ハムから1位指名を受け入団した清宮。高校通算111本塁打(歴代1位)という実績もあり多くのプロ野球ファンから期待を集めたが、翌2018年から昨季までの通算成績は「230試合・.198・21本・73打点・126安打」と今一つの数字にとどまっている。

 また、現在行われているOP戦でも、15日終了時点で「8試合・.188・0本・2打点・3安打」と本塁打はゼロ。そのため、一部ファンからは「打率1割、ホームラン0の清宮を使い続ける意味はあるのか」、「二軍に落として鍛え直した方がいい」といった、栗山英樹監督への不満も挙がっている。

 >>日本ハム・清宮に「緊張感が足りない」批判噴出 ユニ忘れに気付かずキャンプイン、今季の活躍を怪しむ声も<<

 ただ、こうした論調は「96試合・.190・7本・22打点・43安打」に沈んだ昨季にもあったが、それでも栗山監督は清宮を二軍には落とさず一軍で使い続けている。なぜ一軍起用に固執するのかは様々な理由が考えられるが、チームが長らく悩まされている“強打者不足”も一因との見方もある。

 「現在チームで一番の強打者といえるのは、2011年から昨季まで10年連続で2ケタ本塁打以上を記録し、この間20本塁打を8回、30本塁打も2回クリアしているプロ14年目・31歳の中田翔。ただ、その中田を除くとこの10年間で20本以上をクリアした生え抜き選手は、2014年の陽岱鋼(25本/現巨人)、2016年の大谷翔平(22本/現エンゼルス)の2名しかいません。生え抜きの強打者が育たない状況をチームはこれまでホフパワー(2011-2013/通算31本)、アブレイユ(2013-2014/同32本)、レアード(2015-2018/同131本)といった助っ人を獲得することでカバーしてきましたが、一昨年は王柏融が3本、昨年は王が2本、ビヤヌエバが4本とその方法も難しくなってきている状況です」(野球ライター)

 こうした状況の中チームに入団した清宮はプロ1年目から3年連続で7本塁打をマークしているが、これはチーム内では「8位タイ→4位→3位」の本塁打数。そのため、栗山監督が清宮を一軍で起用する背景には、中田しか計算できる強打者がいない現状を早く脱したいという危機感があるのではないだろうか。

 実際、栗山監督は15日放送の『GET SPORTS』(テレビ朝日系)に出演した際、「ホームランの数が少なすぎる。長打がないと点が入らない」と現状を嘆いた一方で、「そうした選手を作らなきゃいけないという責任がある」とも述べている。栗山監督は清宮が“そうした選手”になれると踏んで、一軍固定を続けることで成長を促しているのかもしれない。

 また、栗山監督は昨季清宮を二軍に落とすよう何度も周囲から言われたというが、「今無難に戦って順位を少しでも上げる考え方は一切ない」と、目先の勝利を求めることはせずに一軍固定を貫いたことも明かしている。

 苦労の3年間を過ごすうちに同世代ではヤクルト・村上宗隆(同期間で65本)が台頭し、3倍以上の本数差をつけられている。過去3年の経験を糧に、今季栗山監督に“恩返し”を果たすことはできるだろうか。

文 / 柴田雅人

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