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ルパンが日本に!?時価3500万円の絵画が忽然と消えた事件、犯人を知る人物が語ったヤバすぎる過去とは【未解決事件ファイル】

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 1968年12月27日の早朝、「ロートレック展」最終日の準備が行われていた京都国立近代美術館で、一枚の絵画が盗まれる事件が発生した。盗難されたのはフランスから借りて展示されていた絵画「マルセル」。当時の時価で3500万円相当の値打ちがあったといい、担当の守衛は責任を感じ自殺をするなど、日本史上最大の絵画盗難事件となった。一体、何が起きたのか。

 事件が起きた京都国立近代美術館では、1968年11月9日からフランスの巨匠「アンリ・ド・トゥールーズ・ロートレック」の作品を紹介する展覧会「ロートレック展」が開催されていた。会場は連日の大盛況で、12月25日までの会期が2日間延長されるほどだったという。盗まれた「マルセル」は、1階展示室の中央北にある特等席に飾られていた。開館前の朝になって職員が盗難に気付いたといい、盗まれたのは26日夜から27日未明だと見られている。夜間のパトロールには当時55歳だった守衛一人がついていただけだったという。責任を感じたのか、翌月に守衛は自殺した。

 一体、犯人は何者なのか。警察の捜査で浮かび上がってきたのは、意外な犯人の狙いだったという。「ロートレック展」では作品231点が展示されていたが、実は盗まれた「マルセル」以上に時価総額が高い作品もあった。しかも、その作品は「マルセル」のすぐ隣に飾られていたのだという。このことから、警察は犯人が換金目的ではなく、「マルセル」が欲しいファンだったのではないかと推測した。

 「ロートレック展」は、フランス政府の全面協力のもとで開催されたこともあり、事件後には日本政府も対応に追われるなど、大きな騒動となった。警察により5万枚の手配書が全国各地に配布されたほか、1000万円の懸賞金がかけられるなど、異例の対応が取られたことでも有名だ。残念ながら「マルセル」の額縁が京都国立近代美術館近くの川で発見された以外は、何も証拠は見つからず、1975年に窃盗罪の公訴時効が成立した。

 しかし、時効成立からわずか1か月後に事件は急展開を迎える。大阪市に住む会社員夫婦が「盗まれたマルセルを持っているかもしれない」と朝日新聞社に連絡したのだ。連絡を受けた朝日新聞社は警察には連絡せず、秘密裏に大学教授に鑑定を依頼し、本物であることが証明された。「マルセル」は展示会の主催者を経て、1976年2月27日に貸出元のトゥールーズ・ロートレック美術館の元に無事戻った。

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 ここで気になるのが「マルセル」を所持していた会社員夫婦の存在だ。時効は過ぎていたものの、警察は会社員夫婦から事情聴取を開始した。結果、1973年秋ごろに知人の中学教師Aから預かっていたことが判明。警察はAに事情を伺うも、Aも「中身を知らないまま知人から預かった」と答えた。知人の名については「信義があるので言えない」一切口外しなかったという。
 
 Aは報道関係者の取材に対して次のように答えた。「警察の捜査対象になる物だと知人に渡された」「私も政治活動をしていたので、警察が興味をもつビラか何かだと思った」「私が口を開けば、何人かの人が関わり合いになるし、政治的信条を傷つけることになる」「われわれの年代には、警察が追いかけているから悪いヤツだというような、江戸時代的発想はない」。

 恐らく犯人に繋がる重大な証拠を知っているであろうAだったが、警察は時効の壁に遮られ追及することはできなかった。Aの話では政治的信条といった話も出てきたが、何かしらの政治団体による組織的犯行の可能性もあるのだろうか。もしかすると、単なる窃盗事件ではないのかもしれない。実際、日本とフランスを巻き込む国際問題にも発展した。一体、犯人の狙いは何だったのか。

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