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LGBT巡る問題発言の足立区議、「普通」発言はどこから? ステレオタイプ形成の背景は

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 9月25日の足立区議会の定例会で、自民党の白石正輝議員が「L(レズビアン)やG(ゲイ)が法律で守られているじゃないかというような話になったのでは足立区は滅んでしまう」と発言。少子化問題を同性愛と直接結び付けたことが問題視され、物議を醸している。

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 これについて白石議員は、6日放送の『スッキリ』(日本テレビ系)で、取材に対し「差別したり蔑視するような考え方はまったくない」としながらも、「普通の結婚をして子どもを産んで育てることがいかに人間にとって大切なことか。このことを子どもたちに教えなくちゃしょうがないだろうと」と説明した。

 同番組でお笑いコンビ・ハリセンボンの近藤春菜は、「『普通』って言われることで、『自分は普通じゃないんだ』って感じてしまって心が傷ついてしまう方もたくさんいらっしゃると思う」「人と人とが一緒に生きていくのに必要なのって、愛であって、そこには性別とか関係なく互いに愛が持てるかどうかだと思う」などと主張し、ネットでは多くの人からの賞賛を得ている。

 白石議員のいう「普通」が指すものとは、白石議員の周囲の環境や社会経験から生み出されたステレオタイプである。「ステレオタイプ」とは、何かに対する極端に単純化された固定的なイメージのことをいう。ステレオタイプは社会に適応していく過程で形成されるもので、同世代の人々や家族といった、自分の所属する集団と共有していることが多い。

 白石議員の発言からは、男女が結婚し、女性が子どもを産むのが「普通」であり、それ以外は異端だと認識していることが分かる。LGBTQとそうでない人との人口比率を考慮すれば、ここまではよくある傾向と言えるかもしれない。しかし、こうしたステレオタイプを盲信したり、極論を用いて強調し過ぎる場合、偏見や差別を生みやすくなるだけでなく、偏見の対象となる人々にストレスを与えてしまう恐れがある。

 ステレオタイプには他にも様々な内容のものがあり、集団に所属して生活し、人と関わり合う中で形成されていく。ステレオタイプは多かれ少なかれ誰もが持っているものだが、あるステレオタイプに対して、「絶対にこうである」と考える傾向が強いか、常に「こういう場合もあるがそうでない場合もある」という見方ができるかで人間のタイプは分かれていく。前者は凝り固まった偏見が強い人物で、後者は柔軟性のある人物と見なせる。また、同じ集団に長く所属していたり、権力を持つことによって偏見や凝り固まった考えが指摘される機会が少ない環境においては、そのステレオタイプは強固になりやすい。

 ステレオタイプ的認知は、物事をできるだけ単純に理解することによって、集団生活への適応力が高まるメリットもある。この特性をメリットとして活かすためには、常に変化する世の中に合わせて、柔軟に変化させていく必要がある。

 LGBTQは偏見や差別の対象とされていたつらい歴史を経て、現代では、個人の生き方として尊重されるのが「普通」と認識されつつある。その一方で、今回は白石議員のかたくなな考えと「普通」の感覚とのズレが表面化し、違和感や不信感につながってしまったようだ。

文:心理カウンセラー  吉田明日香

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