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渋谷のど真ん中でライフル乱射「少年ライフル魔事件」【衝撃の未成年事件簿】

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 「まるで西部劇のようだった」。この事件を肌で知る者たちは口々にそう語ったという。
 1965(昭和40)年7月29日、事件は神奈川県座間のある林の中で始まった。松林で18歳の少年Aが空気銃でスズメを撃っていた。この異様な光景にひとりの警察官が尋問すると、少年は隠し持っていたライフル銃で警官を狙撃したのだ。

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 銃弾は胸を貫き警官はその場に倒れた。さらに駆け付けたほかの警官にも発砲し重傷を負わせ、さらに通りすがりの男性から車を奪い、その後も車を乗り換え、東へと突き進んだ。

 午後6時ごろ神奈川を脱出した少年Aが到着したのは、若者や帰宅帰りのサラリーマンが集まる東京・渋谷だった。
 「ライフルを持った少年が渋谷に現れた」。このニュースはまたたく間に東京中に広まり、同時に少年は弾切れを心配し渋谷区内にある某鉄砲火薬店に籠城、店員を人質にとった。駆け付けた警察官と激しい銃撃戦が繰り広げられたのだ。

 火薬店に籠城している間は弾切れの心配がなく、Aは100発あまりの弾丸を連射した。銃の腕はそれほど高くはなかったものの、周囲が薄暗くなり、弾を滅茶苦茶に撃ってくるライフル魔の銃撃に警察官、通行人、報道関係者ら16人が負傷。さらに立てこもった火薬店は駅の近くであったことから、流れ弾を防ぐために山手線が全線運休するなど大パニックになった。

 そんななか、警察隊は催涙弾でAに応戦。人質の店員を盾にして外に出たが、その隙を狙ってひとりの警官が体当たりしAを取り押さえることに成功した。午後7時20分ごろAは逮捕され「少年ライフル魔事件」は終わりを告げた。なお死亡者は最初に座間でAに声をかけた警官ひとりだけだったそうだ。
 Aは普段はコックとして働いていたが、年少の頃からガンマニアでハードボイルド小説を読んで「いつか拳銃を心ゆくまでぶっ放したい」と考えたという。

 Aは犯行当時、未成年であり1審では無期懲役となったが、2審では自らの希望もあり死刑が言い渡され、事件から7年後の1972(昭和47)年に死刑が執行された。

文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)

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