search
とじる
トップ > スポーツ > 中日打者がサヨナラ弾も、走塁中に膝から崩れ落ちる! まさかの原因に星野監督も困惑? 史上初の“代走サヨナラホームイン”

中日打者がサヨナラ弾も、走塁中に膝から崩れ落ちる! まさかの原因に星野監督も困惑? 史上初の“代走サヨナラホームイン”

pic pic

星野仙一さん(写真は楽天監督時代)

 新型コロナウイルスによる3カ月の開幕延期を経て、6月19日に遂に開幕する今シーズンのプロ野球。開幕が3カ月延期されたことで調整に狂いが生じたことや、開幕後も毎週6連戦、場合によっては9連戦という過密日程が組まれていることにより、選手の怪我が多くなるのではと危惧されている。

 >>巨人、開幕ローテ確実の戸郷に黄信号? 「どこかが壊れやしないか」堀内元監督が“アーム投げ”を危惧、大手術に迫られた選手も<<

 もちろん、各球団は選手の故障が発生しないよう注意を払ってはいるが、それでも試合中に突発的な怪我が起こることはある。今から約30年前のこの時期には、誰も予想していなかった中で選手が怪我を負った試合がある。

 1991年6月18日、ナゴヤ球場で行われた中日対大洋の一戦。試合は大洋が9回表終了時点で「6-4」とリードしていたが、その裏中日は大豊泰昭、中村武志が2者連続ホームランを放ち土壇場で同点に。その勢いのまま突入した延長10回裏、彦野利勝がサヨナラホームランを放ち劇的な勝利を収めた。

 敗色濃厚からの逆転劇にスタンドは大歓声。ところが、ヒーローとなった彦野が一塁ベースを回ったあたりで膝から崩れ落ちるように転倒。右ひざを押さえたまま立ち上がれなくなり、球場は一転して騒然となった。

 予想外の事態を受けた審判は、公認野球規則に記載されている「1個またはそれ以上の安全進塁権が認められた場合、走者が不慮の事故のために、その安全進塁権を行使することができなくなったときは、その場から控えのプレーヤーに代走させることができる」という規則に準じ、中日・星野仙一監督に代走を要請。星野監督は控えの山口幸司を代走に送り、山口がベースを一周したことでようやく得点が認められることになった。

 プロ野球では史上初となる“代走サヨナラホームイン”という出来事を招いた彦野だが、その理由については試合後の報道で判明する。彦野が放った本塁打は左翼フェンスをギリギリで超えるライナー性の当たりだったが、打球が届かないことを想定した彦野は全力疾走。それがあだとなり、もともと古傷を抱えていた右ひざを痛めてしまったという。

 怪我の程度については、「2、3日もあれば大丈夫」と報道陣に語った彦野。しかし、その後病院で検査を受けたところ、右ひざのねんざで3週間の加療が必要と診断されてしまう。さらに、同戦から半月後に受けた精密検査で、右ひざの靭帯が断裂していることが判明。古傷と関係があったのかは定かではないが、「2、3日」と思っていた負傷が全治3カ月を要する大怪我となり、彦野はその後のシーズンを棒に振ることになってしまった。

 彦野は怪我の影響もあり1992、93年と2年連続で不振に苦しむが、94年に「.284・6本・49打点・103安打」と復活しカムバック賞を受賞。その後は98年までプレーし同年限りで現役を引退した。引退後は55歳となった現在に至るまで野球解説者として活動しており、2012年から13年にかけては中日で一軍、二軍打撃コーチを歴任している。

 日本のプロ野球より一足早く5月5日に開幕した韓国プロ野球では、開幕直後に肉離れを発症する選手が続出したことが伝えられている。ようやく迎えた開幕に選手が張り切り過ぎたことが理由ともされているが、予期せぬ怪我を防ぐためには熱くなり過ぎずに冷静にプレーすることも重要な要素となりそうだ。

文 / 柴田雅人

関連記事

タグから探す


スポーツ→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

スポーツ→

もっと見る→

注目タグ