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小学校教師、オンライン授業が受けられない生徒に徒歩3時間かけて教材を届ける ​心配の声も

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 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため学校が休校になり、日本ではオンライン授業などの対応が取られているが、海外ではインターネットが繋がらない地域に住む生徒のため、驚きの行動に出た教師がいる。

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため休校措置が取られているマレーシア・サラワク州で、27歳の小学校の男性教師が、インターネットが繋がらずオンライン授業が受けられない生徒のために、往復3時間かけて教材を届けたと、海外ニュースサイト『The Star』が4月25日に報じた。

 同記事によると、教師は英語と美術を担当しており、休校措置が取られてからはオンラインで授業をしていたという。ほとんどの生徒はオンラインで授業を受けることが可能だったが、一部の生徒が住んでいる村ではインターネット環境がなく、何名かの生徒はオンライン授業が受けられなかった。
 教師はオンライン授業が受けられない生徒たちのために教材を作り、往復3キロメートルの悪路を歩いて教材を届けることにした。村までの道は舗装されておらず、車で行くことが困難だった。

 教師は同州の教育委員会に相談し、医師が一人同行することと、代表して教材を受け取る2人の生徒が受け取り後に手洗いをするという条件のもと、教材を配布したそうだ。村の中にはいくつかの集落があり、オンライン授業が受けられない生徒は集落の中に何名かいたため、2人の生徒に代表して教材を受け取ってもらい、オンライン授業を受けられない生徒に配ってもらうことにしたという。同記事が公開された4月25日までに、教師は合計3回、教材を配布するために村を訪れているという。

 このニュースが世界に広がると、ネット上では「素晴らしい教師。歩いたこともそうだけど、教材を作ったこともすごい」「往復3時間も外にいて多くの人と接することはなかったのか。教師の健康も注意すべき」「教師は立派だけど、早く子供たちが安心して学校に行ける日が来て欲しい」などの声が挙がっていた。

 海外では、生徒のために行動した教師が他にもいる。
 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため休校措置が取られているアメリカ・サウスダコタ州で、数学を教える小学校の男性教師が、関数が分からないという女子生徒のために、生徒の自宅を訪れ窓の外で授業をしたと、海外ニュースサイト『CNN』が4月1日に報じた。

 同記事によると、女子生徒は関数の理解できない部分について、教師にメールしたという。メールを受け取った教師はホワイトボードとペンを持って生徒の家に出向き、窓の外から説明した。生徒は窓は開けず、窓越しに説明を聞いていたそうだ。

 説明から10分後、生徒が理解したことで教師は帰っていったという。教師は同記事のインタビューに対し、「電話やメールより直接説明した方が分かりやすいと思った」と話しているという。
 新型コロナウイルスのパンデミックの中でも、生徒のためにできることを精一杯、行う教師が世界にはいるようだ。

記事内の引用について
「Teacher goes the extra mile to send learning materials to rural students」(The Star)より
https://www.thestar.com.my/news/nation/2020/04/25/teacher-drives-hours-to-send-learning-materials-to-rural-students#.XqOOqDNSBJM.facebook
「Math teacher shows up at student's front porch to give her a one-on-one lesson while social distancing」(CNN)より
https://edition.cnn.com/2020/03/31/us/coronavirus-math-lesson-teacher-trnd/index.html

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