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巨人・岩隈、入団2年目で復活の兆し? 日本復帰後に長期欠場、共通点の多い松坂以上の活躍に期待のワケは

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岩隈久志(写真はマリナーズ時代)

 巨人・岩隈久志投手がフリー打撃に登板した(4月14日)。約50球、練習後、一部メディアに答えた「打者への感覚もつかめた」なるコメントからして、復活はまだ先になりそうだが、回復に向けての調整は順調に進んでいるようだ。

 「松坂と岩隈、先に勝ち星を挙げるのはどっちだ?」

 悪い冗談を言うメディアもいないわけではないが、この2人には共通点がある。侍ジャパンのエースとして国際試合で好投、メジャー挑戦、日本帰還。経歴はもちろんだが、日本球界に帰還した後、故障で長期欠場に追い込まれている。

 岩隈は米マリナーズ時代の2017年に右肩のクリーニング手術を受けている。その影響で翌18年のほとんどを棒に振り、19年の巨人入り後もリハビリに専念していた。また、昨年10月、鼠径ヘルニアの手術も受けている。19年の優勝に貢献できず、加えて新たな故障を負ったわけだ。自身の年齢を考えれば、引退の2文字もチラつくはずだが、岩隈は現役続行の道を選んだ。

 「今年の春季キャンプも手術の影響でリハビリ中心の練習でした」(スポーツ紙記者)

 本人の復活に懸ける意思の強さと、球団の「まだ戦力になる」という評価が合致しなければ、現役生活は続けられない。

 他の選手だったら、クビになっていてもおかしくはないはずだ。しかし、岩隈が今季もユニフォームを着ることができたのは、過去の実績に対する敬意だけではなかった。

 「岩隈くらい、投球スタイルを変えたピッチャーはいないでしょう。二段モーションが禁止されたころは変化球に活路に見出し、その後はボールを低めに集め、故障後は肘の位置を下げたり…。投手としてのセンス、素質、応用力が高い」(チーム関係者)

 また、在京球団のスコアラーが言うには「クイックモーションが巧い」とのこと。盗塁のしにくい投手としても評価されているという。

 近鉄、楽天時代を知るプロ野球OBに聞くと、「移動の新幹線の中でお菓子を食べるなど、子どもみたいなところもある」そうだ。日本球界に帰還した後の言動はオトナだ。おそらくだが、メジャーリーグに渡ったことが彼を変貌させたのではないだろうか。

 他のメジャーリーグに挑戦した日本人投手と異なる点を挙げると、岩隈は「先発での起用」を約束されていなかった。マリナーズと契約した2012年、岩隈は中継ぎ投手でデビューし、先発のチャンスをもらえたのは7月に入ってからだった。ここで、「待つこと」の苦しみ、辛さを知ったのかもしれない。自身が絶好調だと思っても、チャンスが回って来ない苦しみ。これが、今日の故障と向き合う姿勢にもつながったのではないだろうか。

 「楽天時代、体の違和感を訴え、自分から登板を回避するところがありました。監督、コーチは『ちょっとでいいから無理をしてくれたら』と見ていましたが」(前出・OB)

 長く現役を続けた歴代のプロ野球選手にも、周囲には理解できない言動や、「あえて無理をしないワガママさ」があった。ワガママは自分に忠実、自分に嘘をつかないとも言い換えられる。ペナントレースが始まらない今、自分を見失った者が後に泣きを見るだろう。

 そう考えると、クセの強いベテランたちの言動、考え方に今日の閉鎖的な社会を生き抜くヒントがあるのかもしれない。(スポーツライター・飯山満)

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